・シェーバーの刃が破損、安さに釣られて買った互換品(パチもん)はわずか2ヶ月で臨終。「爆音」と「剃れない」という二重苦を経験し、シェーバーという精密機器での純正品の価値、安物買いの銭失いを身をもって体験。
とある日の朝、顔を洗っているとなんだか頬がヒリヒリと痛い。
鏡を見ても、特に出血や傷があるわけではないんですけど…あ、シェーバーの外刃が破れたのか。
少々不適切な言い方ですけど、「壊れてくれてよかった〜」。
安物買いの銭失い、互換品との短い戦い
この「壊れてくれてよかった〜」という刃は、メーカー純正品ではなく、安さに釣られて手を出してしまった他社製の互換品(いわゆる“パチもん”)だったのです。
私の電気シェーバーは、BRAUNのSeries 5。
メーカーによれば、刃の寿命は、約18ヶ月とされています。
2024年の7月に本体を購入したんですけど、最初に付いていた純正の刃は翌年の8月にはあっけなく破損。
わずか13ヶ月しか保ちませんでした。
仕方ない、替刃を買うかとAmazonで検索してみたところ、その価格に驚き、なんと7,000円。
シェーバー本体は、確か12,800円で購入したはず。
替刃が本体の半額以上もするとは、一体どういうことだ。
そんな悪態をつきながらページをスクロールしていると、ある商品が目に飛び込んできました。
おそらく中国製であろう互換品の替刃、2,500円とかなり安い。
どうせ、大して違いはないだろう。
そう高を括って買ってみたものの、これが壮大な「安物買いの銭失い」の始まりでした。
届いた互換品を装着してまず気になったのが、動作時の「爆音」。
純正品はほとんど気にならない静かなモーター音だったのに、この互換品は「朝からうるさい」と家族からも文句を言われるほどの凄まじい騒音。
そしてシェーバーとして、決定的にダメだったのが「剃れない」こと。
厳密に言えば、「剃れる部分の面積が、極端に狭い」ですけどね。
刃の上部にある、ごく僅かなスイートスポットを肌に正確に当てなければならず。
他の部分は、全くと言っていいほど髭を剃ることができないんですよね。
使いにくいことこの上ない、でも買ってしまったものは仕方がない。
だましだまし使っていたこの互換品の刃でしたけど、わずか2ヶ月でいとも簡単に外刃が破れてしまったというわけです。
純正品への回帰、そしてセールという名の光明
多少高くても、やはり純正品を買うっきゃない。
今回の失敗で、骨身に染みてそう悟りました。
再びAmazonで探してみると…お、ちょうど「Prime感謝祭」のセール期間中。
あの7,000円だった純正品の替刃、4,480円になっているじゃないですか!
2個パックだと8,480円、一つあたり4,240円とさらに安くなる!
なるほど、こういうセールのタイミングを狙って、賢く買うべきだったのか。
BRAUNのシェーバーといえば、ドイツのクラフトマンシップの象徴。
その歴史は70年以上に及び、一枚の刃を開発するために膨大な時間とコスト、そして何世代にもわたるエンジニアたちの知見が注ぎ込まれています。
肌に直接触れる、0.05mmの薄さの外刃、そして異なる大きさの網目。
これらが一体となって、初めて、あの滑らかな剃り心地が生まれているんですね。
2ヶ月で殉職した例の“パチもん”。
パッと見ただけでは、純正品との違いはほとんど分かりません。
でもこれはただ単に、形を表面上で真似ただけ。
その裏にある目に見えない技術や品質管理、そして長年のノウハウといったものは全くコピーできていなかった、というわけです。
最後に
というわけで、シェーバーの替刃を巡るささやかな冒険。
毎日肌に触れる精密な道具において、やはり高いものには、高いなりの理由がある。
それを頬のヒリヒリとした痛みとともに実感できた、貴重な体験でした。
目先のコストに囚われず、製品の背景にある技術や信頼性を総合的に判断することの重要性。
今回の失敗は、そんな当たり前のようで忘れがちな教訓を改めて教えてくれたなと。
【おまけのワンポイント】
・電気シェーバーが発明されたのは1920年代、アメリカのジェイコブ・シック氏によるもの。彼は「マガジン式連続充填型カミソリ」も発明しており、これがカミソリブランドの「シック (Schick)」の創設につながったんだそうです。
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