・岐阜基地航空祭の続き。救難教育隊の訓練展示を見学後、異機種大編隊飛行を良い場所で見ようと長い滑走路をウォーキング。残念ながら天候不良で大編隊は中止となるも、F-15のベイパーコーンやC-2輸送機の巨体、そして特別塗装のF-2など、岐阜基地ならではの多彩な航空機たちの競演を堪能。
昨日に引き続き、本日も岐阜基地航空祭の模様についてです。
格納庫で伝説の名機F-4ファントムとの再会を果たした後、地上展示機を眺めながら広大なエプロン地区を少し歩いてみることに。
空の守護神と、長い滑走路
今年の岐阜基地航空祭は、ブルーインパルスの参加がなかったんですよね。
そのせいか、来場者数は例年より少し控えめの35,000人だったそう。
それでもエプロンには、多くの航空ファンが詰めかけているのは、写真でおわかり頂けるかなと。
航空祭が初めてのMさんや息子は、その人の多さに、改めて驚いているようでした。
お、UH-60J、救難ヘリコプターですね。
これは航空救難団…ん?いや。
パンフレットを見ると、「救難教育隊」とあります。
「救難教育隊」というのは、航空救難団の隊員を育成するための専門の教育部隊。
「空の守護神」たちを育てる、エリート養成機関です。
拠点は愛知県の小牧基地、それから静岡県の浜松基地に置かれているんだそう。
そういえば、この春のドラマ『PJ 〜航空救難団』は救難教育隊を描いていました。
さて、次のお目当ては異機種大編隊飛行。
オープニングとはまた別の場所から見てみようと、滑走路の横にある芝生エリアを歩き始めます。
今更ですけど、航空基地の滑走路はむちゃくちゃ歩かされます。
それもそのはず、岐阜基地の滑走路の長さは約2,700mあって、大型の輸送機も安全に離着陸できる十分な長さが確保されているんです。
天候との戦い、そして岐阜ならではの競演
異機種大編隊の皮切り、まずはF-15イーグルが轟音とともに空へと舞い上がります。
この角度から見ると、いかに短い距離で軽々と離陸していくか、それがよく分かりるんです。
そして目の前で、いきなりぐいっと機首を上げての急上昇。
F-15が持つ圧倒的なパワー、まさに五感で感じることができる瞬間でした。
高速で頭上を通過していくF-15、その主翼の付け根あたりに… お、あれが「ベイパーコーン」か?
この日は曇りがちで湿度が高かったため、機体周辺の気圧が急激に下がることで空気中の水分が凝結。
円錐状の雲が発生する「ベイパー現象」、初めてはっきりと見ることができました。
湿度が高いおかげで、飛行機雲もくっきりと現れます。
まるでアクロバット飛行のスモークのよう、空に白い軌跡を描いていく。
音だけでなく、視覚的にも戦闘機の迫力を存分に感じることができました。
と、ここで、少し嫌な予感。
F-15がやけに長い時間、単独で飛び続けているな…
その予感は的中。
「大変申し訳ございませんが、上空の気象条件の悪化により、本日の異機種大編隊飛行は取りやめとなりました」
と、無情のアナウンスが。
うわ〜、やっぱりか。
まぁこればっかりは自然が相手なので、仕方がありませんね。
大編隊飛行は中止となったものの、代わりに参加予定だった機体がそれぞれ個別にデモフライトを行ってくれることに。
まずはC-2輸送機、航空自衛隊が誇る国産の大型輸送機です。
その巨体からは想像もつかないような、軽快な機動性を見せてくれます。
続いてF-2支援戦闘機の出番。
アフターバーナー全開、ド迫力の飛行を再び堪能します。
このF-2も導入から年数が経ち、現在、その後継となる次期戦闘機の開発がイギリス、イタリアとの国際共同で進められています。
日本の空の新たな未来が始まろうとしているんだなと。
滑走路をタキシング(地上滑走)するF-2。
こちらは赤・紺・白のトリコロール、軍用機っぽくない塗装ですね。
これはF-2の開発のベースとなったアメリカのF-16戦闘機の試作機、「YF-16」のカラーリングを模したもの。
F-2はF-16よりも一回り大きいんですけど、この色合いだと「あれ? F-16?」と一瞬錯覚してしまいます。
そして最後に飛んだのはT-4中等練習機です。
ブルーインパルスで使われている機体としてもお馴染み。
丸みを帯びた愛らしいフォルム、「ドルフィン」という愛称で親しまれています。
地味ではありましたけど、練習機ならではの軽快な飛行を見せてくれました。
最後に
というわけで、関ケ原から急遽予定を変更して訪れた岐阜基地航空祭。
メインの異機種大編隊が見られなかったのは残念。でもその代わり、この岐阜基地ならではの多種多様な航空機たちの勇姿をじっくりと見ることができました。
非常に満足度の高い、素晴らしい午前中に感謝。
さて、この後は… え! 大垣城に向かうってマジ?
というところで、続きはまた明日。
【おまけのワンポイント】
・ベイパー現象は、湿度が高い日であれば、高速で飛行する旅客機や、F1などのレーシングカーでも見ることができるんだそう。空気の流れ(流体力学)を可視化してくれる面白い自然現象ですね。
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