・名古屋旅行の初日、これまで未踏だった名古屋駅西側エリアへ。豊臣秀吉の生誕地に建つという『豊国神社』を参拝し、初代中村勘三郎の像や大正天皇お手植えの松など、意外な見どころがある歴史散策に。
新幹線の中で美味しい駅弁を堪能し、無事に名古屋に到着。
さて、まず最初に向かうのは、『豊国神社』です。
これまで何十回と名古屋には来ていますけど、名古屋駅の西側を観光目的で歩いたことはないんですよね。
どこかそれらしい場所はないものかと地図を眺めていて、目に留まったのがこの神社だったというわけです。
秀吉生誕の地に建つ豊国神社
豊国神社は、その名の通り豊臣秀吉を祀る神社。
秀吉の生誕地であることにちなみ、明治18年(1885年)に創建されました。
全国にいくつかある豊国神社の中でも、特に秀吉との縁が深い場所。
出世開運の神様として、今も多くの人々の信仰を集めています。
考えてみれば、豊臣秀吉を神として祀るというのは、江戸時代にはあり得ないこと。
江戸幕府を築いた徳川家康にとって、豊臣家は滅ぼした敵。
加えて徳川家康本人も、東照大権現という神になっていますよね。
なので秀吉を神格化することなど、幕府に対する反逆と見なされかねない行為。
秀吉が歴史の表舞台で評価されるようになるのは、徳川の世が終わり、明治という新しい時代を迎えてからのことというわけです。
現在の拝殿は、昭和4年に造営されたもの。
立派な造りではあるものの、過度な装飾はなく質実剛健といった印象です。
派手好みだった秀吉という印象が強いので、ちょっと地味過ぎるような気がするのは私だけだろうか。
来年の大河ドラマと、初代中村勘三郎
ん? 境内にはこんなものも建設中。
来年(2026年)のNHK大河ドラマ、『豊臣兄弟!』向けの展示施設です。
兄・秀吉の陰に隠れがちだった弟・豊臣秀長が主人公となる物語。
秀長は、その温厚な人柄と卓越した政治手腕をもって、兄の天下統一事業を内側から支えた「名補佐役」。
彼がいなければ、秀吉の天下はなかったとさえ言われています。
このドラマをきっかけに、この地もまた大きな注目を集めることでしょうね。
「豊太閤産湯の井戸」。
秀吉が生まれた時に、この井戸の水を産湯にしたという伝説の場所。
とはいうものの…
生家は貧しい農民だったと言われているのに、あまりにもきれいに整備された石組み。
こりゃ後から作られたものだろう、誰でもそう思うものの、それを言っちゃあおしまいよ。
こちらは「大正天皇お手植えの松」。
そういえば、明治天皇や昭和天皇ゆかりのものは、各地でよく目にするものの、大正天皇に纏わるものを目にするのは初めて。
病弱であったこと、在位期間が短かったことなどで、語られることの少ない天皇。
思わぬ場所で、その存在に触れることができました。
楽しそうに踊っている銅像、どじょう掬いかな?
いやいや、江戸歌舞伎の創始者、「初代 中村勘三郎」の生誕記念像です。
彼もまた、この名古屋・中村の生まれ。
京都で狂言を学んだ後に江戸に下り、日本橋に初めての常設芝居小屋「猿若座」(後の中村座)を開いたんだとか。
中村屋一門にもその出自は公認されており、2006年の十八代目中村勘三郎の襲名披露公演もこの地で行われたそうです。
秀吉、そして初代勘三郎と、この地は多くの偉人を輩出しているんですね。
最後に
敷地内には「瓢箪池」と名付けられた大きな池もあり、「池に入ってはいけません」という注意書きがあります。
水が綺麗ではなさそうなので、まぁ正直なところ言われなくても入る気にはならないでしょう…
ん? もしかして。
「池に入っては」で一度改行、その横に「いけません」と。
「いけ」という文字が、横に二つ並んでいる。
これはもしやダジャレ…?
そんなささやかな発見も含め、意外なほどに見どころがあり、楽しむことができた豊国神社。
大河ドラマ館がオープンしたら、行ってみるのも面白いかもしれないですね。
【おまけのワンポイント】
・豊臣秀吉のシンボルといえば、「千成瓢箪(せんなりびょうたん)」。戦に勝つたびに、馬印に瓢箪を一つずつ増やしていったという逸話は有名です。境内の「瓢箪池」も、そんな秀吉のストーリーにちなんで名付けられたものなんでしょうね
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