【この記事のポイント】
・広島アンテナショップで入手したヤマトフーズ「広島汁なし担々缶」に挑戦。お店の味を家庭で再現しようと試みるも、湯切りと全卵使用という障壁に直面。
とある休日のランチ、この日は私一人だけ。
そうだ、先日、銀座の広島アンテナショップ『TAU』で買ってきたあれを食べてみよう。
あれというのは、ヤマトフーズの「広島汁なし担々缶」のこと。
中華麺にかけるだけ、あの広島名物の汁なし担々麺が家庭で出来上がる。
レトルトの進化形、そう言える素晴らしい一品です。
缶詰は、保存性という点で災害対策や長期流通を可能にする優れた技術。
これが今、ローカルフードの「手軽な再現」という形で応用されているのは素晴らしいなと。
プロのレシピ改変の是非
調理は極めてシンプル。
細麺を茹で、汁なし担々缶をかけてネギを乗せます。
トッピングの卵は、本来であればコクを出すために黄身だけで良いとのこと。
でも白身が余っても面倒なので、今回は効率を優先して… えぃ一緒に乗せちゃおう。
あとはよくよく混ぜ混ぜ… う〜ん。
白身を入れたせいで、ソース全体が少しグチャグチャしてしまいましたね。
この時点で、プロのレシピを改変したことによる、若干の失敗の予感。
まぁそれでも気にせず、頂いてみましょう。
舌を痺れさせる「麻」の魅力と旨辛の相乗効果
まずは麺を一口。
うん、一口目から花椒が効いており、しっかりと旨辛い。
汁なし担々麺特有の麻(マー:痺れ)と辣(ラー:辛さ)のバランスの再現性が高くて美味。
口に入れた瞬間、花椒(ホアジャオ)の柑橘系の爽やかな香りと、舌を麻痺させるような独特のシビれが広がります。
この「麻」の刺激こそ、一般的なラー油の辛さである「辣」とは一線を画す汁なし担々麺の最大の魅力。
濃厚なゴマのコクとひき肉の旨味がベースとなり、複雑なスパイスが絡み合って、旨辛さの相乗効果を生み出しています。
この缶詰一つで、四川料理の奥深さと広島で進化したローカルフードの融合を見事に体現していると言えるでしょう。
家庭環境とプロの技の壁
でも、ちょっと残念な点も。
それは麺の食感がイマイチ、ということです。
これは先ほど書いた通り全卵の白身を残したせいで、麺に水分が付きすぎたのが最大の原因。
加えて、パッケージには「しっかり湯切りするのがポイント」と書いてあったんですけど、これが実は非常に難しいんです。
お店であれば、専用の「振りざる」や「てぼ」といったプロ仕様の器具で一気に水気を飛ばします。
一方、家庭用の金網ザルでは、水切れの効率がどうしても劣ってしまう。
プロの道具と家庭環境のギャップという、料理における物理的な壁があるのだと痛感です。
なるほど、お店の味、プロの技はやっぱり道具と手順の徹底にあるものなのだなと。
そんな実感を持ちながら、美味しく完食。
ご馳走さまでした。
【おまけのワンポイント】
・汁なし担々麺のルーツである担々麺は、元々中国の四川省で、天秤棒(担:タン)を担いだ移動式の屋台で売られていた庶民のファストフードだそう。日本では「汁あり」が一般的ですけど、広島で広まった「汁なし」スタイルは、麺にタレを絡ませて食べるという、シンプルながらも濃厚な旨味を楽しむ合理的な進化を遂げたローカルグルメなんですよね。
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