・郡山での夕食は、地元出身の同僚おすすめの居酒屋『炭焼うまいもん 虎々』。息子が来られなくなったので「ぼっち飯」、福島の郷土料理「いか人参」や絶品の「カツオ藁焼き」、そして希少な日本酒「飛露喜」との出会いに最高の夜を過ごせたなと。
旅の初日は、二本松での城巡りと郡山での歴史探訪。
充実した一日の締めくくりはもちろん、美味しい夕食です。
今回のお店は、『炭焼うまいもん 虎々』。
郡山出身の会社の同僚に、「どこか美味しいところない?」と確認して教えてもらったお店です。
事前に予約もしてあったものの、旅の冒頭で書いた通り息子がまさかの発熱でダウン。
私の「ぼっち飯」となってしまいました。
賑やかな居酒屋に、一人で入るのは少し迷惑かもしれないな…
そんな一抹の不安を抱えつつも、せっかくなので、暖簾をくぐることにしました。
予約必須の人気店、地元の実力派
お店は、郡山駅から歩いて5分弱。
大通り沿いではあるものの、知らなければなかなか辿り着けない立地です。
18:00前というまだ早い時間に入店したにもかかわらず、次から次へとお客さんがやってきて、予約のない方は「申し訳ありませんが…」と、断られている。
なるほど、地元の人々に愛される人気店なんですね。
カウンター席に案内され、まずはビールで一人静かに乾杯!
う〜ん。
歩き疲れた身体に、キリッと冷えた一杯が染み渡る。
この瞬間のために今日一日頑張ってきたんだ、そう思えるほどの美味さ。
福島の郷土の味と、希少な銘酒
一品目は「いか人参」。
細切りにしたスルメと人参を醤油やみりんなどで漬け込んだ、福島県中通りの郷土料理です。
松前漬けにも似ているものの、昆布が入らないのでよりシンプルに素材の味が楽しめます。
シャキシャキとした人参の驚くほどの甘さ、そしてスルメの旨味にビールが進みます。
続いては「桜さし」、さっぱりとしたもも肉ですね。
薬味の辛子味噌をつけていただくと、馬肉の持つ鉄分豊かな赤身の旨味が引き立ちます。
福島、特に会津地方は、古くから馬肉文化が根付いている土地。
山梨などで食べる馬刺しとはまた一味違う、力強い味わいだなと。
お店の方に、おすすめの日本酒を尋ねると、「飛露喜(ひろき)か、泉川ですね」と。
それならばと選んだのが、こちらの「飛露喜 特別純米」でした。
一組一合までという限定品、値段は1,300円。
その希少性に惹かれたんです。
口に含むと、まずフルーティーで華やかな果実のような香りが広がります。
味わいはほんのり甘め。
その後から米のしっかりとした旨味と、キレの良い酸味が追いかけてくる。
非常に存在感のある力強いお酒ですね。
最高の一皿、繊細なカツオの藁焼き
そしてこの日最高の一皿となったのが、こちらの「カツオの藁焼き」。
メニューに「お店オススメ」と書いてあったので頼んでみたんですけど、これが絶品でした。
カツオの藁焼きといえば、本場・高知の、荒々しいまでの燻香が魅力。
一方でここの藁焼きは、それとは全く違う非常に繊細なアプローチです。
藁の香ばしさは控えめ。
そのせいでカツオそのものが持つ、ねっとりとした赤身の旨味と脂の甘みが、驚くほど際立って感じらます。
添えられたスライスしたばかりのニンニクや、ツンと鼻に抜ける本わさびとの相性も抜群。
この繊細なカツオの旨味、先ほどの「飛露喜」の力強い味わいが見事に受け止めてくれています。
締めは、まさかの硬派な蕎麦がき
締めは、軽めに「蕎麦がき」。
メニューにあるお店も珍しい一品、ここの蕎麦がきは私の知っているものとは全くの別物でした。
見た目でもご想像いただける通り、こんなに硬い蕎麦がきは初。
箸で切り分けるのに、少し力が必要なほどです。
ところがどっこい、口に入れて噛み締めると、蕎麦のもつ穀物としての豊かな香りがダイレクトにガツンとやってくる。
これは締めの一品というより、立派な酒の肴ですね。
塩を少しだけつけて食べると、蕎麦の甘みがより一層引き立つ。
こんな食べ方を経験できたのは貴重だったなと。
最後に
というわけで、郡山の夜にいただいた素晴らしい料理の数々。
息子が来られなくなり、どうなることかと思った“ぼっち飯”でしたけど、福島の食の豊かさを心ゆくまで堪能することができました。
それにしても、素晴らしいお店を紹介してくれた会社のKさんには心から感謝。
信頼できる人間の口コミ(レコメンド)に勝るものはないですね。
いやぁ、美味しかった。
ご馳走さまでした。
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