モーションウィジット

2025年10月14日火曜日

【旅行】夜鳴きそばに湯上がりアイス!『ドーミーインEXPRESS郡山』はサービス満点だった

【この記事のポイント】
・福島・郡山での宿は『ドーミーインEXPRESS郡山』。部屋のタバコのニオイは気になったものの、名物の無料「夜鳴きそば」や人工炭酸泉の大浴場、そして湯上がりのアイスなどドーミーインならではの充実したサービスを堪能。


今回の福島名城巡りの旅。
拠点として郡山で選んだ宿は、『ドーミーインEXPRESS郡山』でした。

駅から徒歩5分弱と少し離れてはいますけど、「大浴場が良い」というネットでの高評価を見てここに決定したんです。

ビジネスホテルの進化と、嬉しい誤算?




「ドーミーイン」といえば、ビジネスホテルでありながらその土地ならではの朝食や大浴場、そして名物の「夜鳴きそば」など、独自のサービスで人気のホテルチェーン。
泊まるのは初めてなので、どんな宿なのか楽しみだったんです。


最近のビジネスホテルのベッドは、本当に快適になりましたよね。
シモンズ社製などの高品質なマットレスを導入しているところも多く、旅の疲れをしっかりと癒してくれます。

本来ならここで息子と二人、それぞれのベッドで眠るはずだったんですけど…

彼の急な発熱により、快適なベッドの一つは私の荷物置き場として、一晩を過ごすことに。
なんて贅沢な使い方なんだろうか。


部屋の広さは、ビジネスホテルとしては十分。
一つだけ気になったことのは、タバコのニオイです。

私が吸うのは加熱式タバコ。
紙タバコのあの独特のニオイには、割と敏感なんです。

予約時、禁煙の部屋に空きがなかったので仕方なく喫煙室をチョイス、
「まあ、大して気にならないだろう」と、たかをくくっていたんですけどね。

この部屋には、長年の紙タバコのニオイが壁紙やカーテンに深く染み付いている。
私でも「うっ…」と感じるほどでした。

ドーミーイン名物、夜鳴きそばと大浴場




さて、気を取り直してと。

この宿の大きな特徴の一つ、毎日21:30から23:00の間に無料で提供される「夜鳴きそば」。
これは、食べない手はないでしょう。


ハーフサイズのあっさりとした醤油ラーメン。

何か特別な具材が入っているわけでもなく、味もごくシンプル。
でもこの、素っ気なさが夜食にはちょうど良い。

鶏ガラベースの優しいスープ、一日歩き回った疲れた身体にじんわりと染み渡っていきます。
飲んだ後の締めにも最高のパフォーマンスを発揮してくれる、計算された一杯です。


そして、この宿を選んだ最大の理由である大浴場。

残念ながら天然温泉ではないものの、血行促進効果があるという「人工炭酸泉」が、実に気持ち良い。

そして何より、私が利用した時間帯は、ほとんど貸切状態。
手足を思いっきり伸ばして広い湯船に浸かるという開放感、部屋のユニットバスでは決して味わうことはできないなと。

さらに風呂上がりには、これまた無料の湯上がりアイスまであるんです。
火照った身体にこの冷たいアイス、もうたまりませんね。

最後に



というわけで、郡山での一夜を過ごした『ドーミーインEXPRESS郡山』。

部屋に染み付いた長年のタバコのニオイはあったものの、それを補って余りある素晴らしいサービスの数々。

夜鳴きそば、快適な大浴場、そして湯上がりアイス。
これだけのユーザー体験を提供してくれることで、人気が出るのも頷けます。

ということで、旅の1日目の記事はここまで。
明日からまた、2日目について綴りますので、どうぞお楽しみに。




ドーミーインEXPRESS郡山
〒963-8001 福島県郡山市大町2-18-1
024-935-5489
チェックイン 15:00 / チェックアウト10:00

2025年10月13日月曜日

【旅行】幻の日本酒「飛露喜」に感動!郡山『虎々』で味わう「いか人参」とカツオ藁焼きの夜

【この記事のポイント】
・郡山での夕食は、地元出身の同僚おすすめの居酒屋『炭焼うまいもん 虎々』。息子が来られなくなったので「ぼっち飯」、福島の郷土料理「いか人参」や絶品の「カツオ藁焼き」、そして希少な日本酒「飛露喜」との出会いに最高の夜を過ごせたなと。


旅の初日は、二本松での城巡りと郡山での歴史探訪。
充実した一日の締めくくりはもちろん、美味しい夕食です。

今回のお店は、『炭焼うまいもん 虎々』。
郡山出身の会社の同僚に、「どこか美味しいところない?」と確認して教えてもらったお店です。

事前に予約もしてあったものの、旅の冒頭で書いた通り息子がまさかの発熱でダウン。
私の「ぼっち飯」となってしまいました。

賑やかな居酒屋に、一人で入るのは少し迷惑かもしれないな…
そんな一抹の不安を抱えつつも、せっかくなので、暖簾をくぐることにしました。

予約必須の人気店、地元の実力派




お店は、郡山駅から歩いて5分弱。
大通り沿いではあるものの、知らなければなかなか辿り着けない立地です。

18:00前というまだ早い時間に入店したにもかかわらず、次から次へとお客さんがやってきて、予約のない方は「申し訳ありませんが…」と、断られている。
なるほど、地元の人々に愛される人気店なんですね。


カウンター席に案内され、まずはビールで一人静かに乾杯!

う〜ん。
歩き疲れた身体に、キリッと冷えた一杯が染み渡る。

この瞬間のために今日一日頑張ってきたんだ、そう思えるほどの美味さ。

福島の郷土の味と、希少な銘酒





一品目は「いか人参」。
細切りにしたスルメと人参を醤油やみりんなどで漬け込んだ、福島県中通りの郷土料理です。

松前漬けにも似ているものの、昆布が入らないのでよりシンプルに素材の味が楽しめます。
シャキシャキとした人参の驚くほどの甘さ、そしてスルメの旨味にビールが進みます。


続いては「桜さし」、さっぱりとしたもも肉ですね。

薬味の辛子味噌をつけていただくと、馬肉の持つ鉄分豊かな赤身の旨味が引き立ちます。

福島、特に会津地方は、古くから馬肉文化が根付いている土地。
山梨などで食べる馬刺しとはまた一味違う、力強い味わいだなと。



お店の方に、おすすめの日本酒を尋ねると、「飛露喜(ひろき)か、泉川ですね」と。
それならばと選んだのが、こちらの「飛露喜 特別純米」でした。

一組一合までという限定品、値段は1,300円。
その希少性に惹かれたんです。

口に含むと、まずフルーティーで華やかな果実のような香りが広がります。

味わいはほんのり甘め。
その後から米のしっかりとした旨味と、キレの良い酸味が追いかけてくる。

非常に存在感のある力強いお酒ですね。

最高の一皿、繊細なカツオの藁焼き




そしてこの日最高の一皿となったのが、こちらの「カツオの藁焼き」。
メニューに「お店オススメ」と書いてあったので頼んでみたんですけど、これが絶品でした。

カツオの藁焼きといえば、本場・高知の、荒々しいまでの燻香が魅力。
一方でここの藁焼きは、それとは全く違う非常に繊細なアプローチです。

藁の香ばしさは控えめ。
そのせいでカツオそのものが持つ、ねっとりとした赤身の旨味と脂の甘みが、驚くほど際立って感じらます。

添えられたスライスしたばかりのニンニクや、ツンと鼻に抜ける本わさびとの相性も抜群。
この繊細なカツオの旨味、先ほどの「飛露喜」の力強い味わいが見事に受け止めてくれています。

締めは、まさかの硬派な蕎麦がき




締めは、軽めに「蕎麦がき」。
メニューにあるお店も珍しい一品、ここの蕎麦がきは私の知っているものとは全くの別物でした。

見た目でもご想像いただける通り、こんなに硬い蕎麦がきは初。
箸で切り分けるのに、少し力が必要なほどです。

ところがどっこい、口に入れて噛み締めると、蕎麦のもつ穀物としての豊かな香りがダイレクトにガツンとやってくる。
これは締めの一品というより、立派な酒の肴ですね。

塩を少しだけつけて食べると、蕎麦の甘みがより一層引き立つ。
こんな食べ方を経験できたのは貴重だったなと。

最後に



というわけで、郡山の夜にいただいた素晴らしい料理の数々。

息子が来られなくなり、どうなることかと思った“ぼっち飯”でしたけど、福島の食の豊かさを心ゆくまで堪能することができました。

それにしても、素晴らしいお店を紹介してくれた会社のKさんには心から感謝。
信頼できる人間の口コミ(レコメンド)に勝るものはないですね。

いやぁ、美味しかった。
ご馳走さまでした。






関連ランキング:ろばた焼き | 郡山駅


2025年10月12日日曜日

【旅行】開成山公園はもはや「街」!?歴史と未来が融合する次世代の憩いの場

【この記事のポイント】
・『開成館』の見学後、隣接する『開成山大神宮』と『開成山公園』を散策。荒れ果てた原野だった土地が安積開拓という一大事業の中心地となり、人々の心の拠り所として大神宮が創建された歴史に触れます。そして時代と共に進化を続ける公園の姿に、郡山の未来への活気を感じました。


『郡山市開成館』で郡山発展の礎となった安積開拓の歴史を学んだ後。

せっかくなので、すぐ隣にある『開成山大神宮』と『開成山公園』も散歩してみることにしました。

人心を一つにした、東北のお伊勢さま




開成山大神宮が鎮座するこの地は、江戸時代までは「大槻原」と呼ばれる広大な荒れ野。
明治維新後にこの原野を開墾する「安積開拓」が始まりますけど、様々な村の利害が絡み合い、入植した二本松藩士族をはじめとする人々の心を一つにまとめるのは非常に困難な事業だったそうです。

そこで、開拓の指導者であった中條政恒らは、人々の心の拠り所としてこの小高い丘を「開成山」と名付け伊勢の神宮をお祀りする遥拝所を設けることを計画。
これが開成山大神宮の始まり。


当初はささやかな遥拝所だったものの、人々の熱意は明治政府を動かします。
戊辰戦争で「朝敵」の汚名を受け、疲弊していた東北の人々の心を憂慮された明治天皇の特別な配慮により、前例のなかった伊勢神宮からの御分霊が許可されたんだそう。

明治9年、御分霊がこの地に鎮座し、「開成山大神宮」が誕生。
その後、国営事業として安積疏水の工事が始まると、伊藤博文らが参列して起工式が執り行われるなど、まさに安積開拓の精神的な支柱となっていったんだとか。

以来、「東北のお伊勢さま」として、今も多くの人々の尊崇を集めているのがこの神社。

開拓のシンボルから、市民の憩いの場へ




開成山大神宮に隣接する広大な『開成山公園』。
その歴史もまた、安積開拓と深く結びついています。

大神宮を中心に、開拓者たちの憩いの場として整備されたのがこの公園の始まり。
灌漑用のため池として造られた「五十鈴湖」の周りには約1,300本ものソメイヨシノが植えられ、現存するものとしては日本最古級として認定されているそうです。


昭和に入ると陸上競技場や野球場が建設され、都市公園として、郡山市民の誰もが集うランドマークへと発展していきます。
日米プロ野球や、伝説的なロックフェス「ワンステップフェスティバル」が開催されるなど、全国から人々が集う文化の発信地にも。

まさに、郡山の発展の歴史とともに、この公園も変容していったんですね。


そして公園のシンボルとしてそびえ立つのが、この「開成山安積疏水開拓記念塔」。
安積開拓の礎を築いた人々の偉業を後世に伝えるために建てられたものです。

タワーの下には中條政恒、阿部茂兵衛、大久保利通といった安積開拓を象徴する人物の群像が配されおり、「安積原野の開拓はこの地より創まる」とのレリーフも。

進化し続ける、次世代の公園へ




平成そして令和の時代に入り、この公園はさらに進化を遂げています。

音楽・文化交流館や屋内プールが完成し、B-1グランプリのような大規模な食のイベントが開催されるなど、新たなカルチャーの発信地としてその役割を拡大。
そして現在も再整備が進められており、持続可能な市民参加型の公園へと、生まれ変わろうとしています。



その象徴が、公園内に新たに誕生したオシャレなショップ群。

湖のほとりには、朝早くから営業しているカフェ。
喜多方ラーメンの名店が監修した朝ラーが楽しめるお店。

国産小麦100%の無添加パンが楽しめるベーカリーに、本格的なグルメバーガーのテイクアウト専門店。
そしてお花屋さんや美容室まで。

もはや「公園」という枠には収まらない、一つの「街」のような機能を持ち始めているような。

最後に


というわけで、『開成館』から始まった郡山発展の歴史を巡る散歩。

荒れ野の開拓から、人々の祈りの場の創出、そして時代と共に進化し続ける市民公園へ。
この一帯は郡山という街の、過去・現在・未来が凝縮された非常に興味深いエリアでした。

さて、そろそろホテルにチェックインできる時間。
車を返却して荷物を置いてと、夕食まで一休みすることにしようかな。




【おまけのワンポイント】
・開成山公園の桜は、「日本さくら名所100選」にも選ばれています。特に、日本最古級と言われるソメイヨシノの並木道は圧巻だそうで、春に郡山を訪れる機会があれば、ぜひ立ち寄ってみたいものです。

2025年10月11日土曜日

【旅行】猪苗代湖から奥羽山脈を貫け!郡山の運命を変えた壮大な国家プロジェクト「安積疏水」

【この記事のポイント】
・二本松から郡山へ移動、明治維新後、宿場町から東北有数の大都市へと変貌を遂げた郡山の発展の秘密を探るべく、『郡山市開成館』へ。猪苗代湖から水を引いた「安積疏水」という壮大な国家プロジェクト、原野に挑んだ入植者たちの暮らしの痕跡に近代日本の夜明けを感じました。


二本松の霞ヶ城探訪を終え、この日の宿がある郡山市へと戻ってきました。

郡山といえば、お城があったっけ?
今回の旅行の前にそんなことを考えてしまいましたけど、それは奈良の大和郡山との勘違い。
福島の郡山は、江戸時代には奥州街道の宿場町として栄えた場所なんだそうです。

とはいえ、当時の人口は、わずかに5,000人程度だったとか。
今や仙台市に次ぐ東北地方2番目の大都市へと発展を遂げている郡山、人口は32万人(2025年9月現在)もいます。

一体、この街に何があったのんだろうか。

郡山発展の礎、『開成館』を訪ねて




明治維新後、郡山が爆発的な発展を遂げるきっかけとなった一大開発事業。
その歴史を詳しく知ることができるのが、ここ『郡山市開成館』です。

開成山公園の西側に、ひっそりとしかし確かな存在感を放って建っています。


郡山発展の起爆剤となったのは、「安積疏水(あさかそすい)」の開削事業。

約40km西にある猪苗代湖から、奥羽山脈を貫くトンネルを掘って水を引く。
これで水利に恵まれなかった安積原野を一大穀倉地帯へと生まれ変わらせるという壮大な国家プロジェクトなんですよね。

オランダ人技師ファン・ドールンの指導のもと、当時の最新土木技術を駆使。
延べ85万人もの人々が動員されたこの大事業は、日本の近代化を象徴する出来事の一つです。

この水路が郡山の農業、そして工業の発展の礎となったんです。

原野に挑んだ、入植者たちの息遣い





『安積開拓入植者住宅(旧小山家)』は、明治15年、愛媛県の旧松山藩士族たちが入植した際の代表的な住宅の形を今に伝えています。

原野を開墾し、未知の土地で新たな生活を始める。
この質素ながらも、力強い造りの家から、当時の入植者たちの厳しいながらも希望に満ちた暮らしぶりが、目に浮かぶようです。



こちらは鳥取からの入植団の副頭取であった、坪内元興の住宅『旧坪内家』。

当時、政府が定めた規格住宅の中でも最上級の「一号家」の雛形をもとに建てられたという立派な建物。
黒田清隆や森有礼といった明治政府の重鎮たちも、この地を視察した際には休憩したという記録が残されています。

擬洋風建築の傑作と、その数奇な運命




こちらが敷地の中心に建つ『開成館』本体。
残念ながら2021年の福島県沖地震で被害を受け、現在も復旧工事中でした。

この建物は、明治7年に安積開拓の拠点となる「福島県開拓掛」が置かれた擬洋風建築の傑作だそう。
明治天皇の行在所(宿泊所)としても使われ、一時は国の史跡にも指定されていましたが、戦後は市営住宅として使われるなど、荒廃した時期もあったんだそうです。

安積開拓の司令塔と、歴史の証人たち




安積開拓は、戊辰戦争で敗れた旧武士たちの士族授産、そして食料増産という二つの大きな目的を背負っていたんだそう。

全国から、多くの旧藩士たちが刀を鍬に持ち替え、この原野の開拓にその身を投じたんですね。
新しい時代を自らの手で切り拓こうとした人々、その情熱の物語ここにあり、なんだなと。


開拓掛の職員用官舎であった、『旧立岩一郎邸』。
安積疏水の着工式に出席した、伊藤博文や松方正義といった、明治の元勲たちがこの官舎に宿泊したと伝えられています。

庭に残る石組みの給水口が、当時の暮らしを静かに物語っていました。

最後に



というわけで、郡山発展の歴史を巡る観光。

一つの疏水事業がいかにして都市の運命を変え、多くの人々の人生を動かしていったのか。
その壮大な歴史のドラマに、ただただ圧倒されました。

「郡山=ただの大都市」じゃない。
「近代日本の夜明けを象徴する、開拓者たちの魂が宿る街」だった。

そんなことを学んだ後、次の観光地に向かおうというところで、続きはまた明日。




郡山市開成館
〒963-8851 福島県郡山市開成3-3-7
024-923-2157
営業時間 10:00〜17:00
閉館日 月曜日

2025年10月10日金曜日

【旅行】母の涙と少年たちの勇姿…霞ヶ城に刻まれた「二本松少年隊」の悲劇

【この記事のポイント】
・戊辰戦争における二本松藩の悲劇は「二本松少年隊」。その勇ましい銅像と、子を戦場へ送り出す母の像の対比に胸を打たれます。箕輪門に残る350年の松、城代の壮絶な死の痕跡など、霞ヶ城に刻まれた幕末の動乱の記憶を辿りました。


『にほんまつ城報館』で霞ヶ城(二本松城)の歴史を学んだ際、私の心に深く突き刺さったのが幕末・戊辰戦争における二本松藩の悲劇。
その象徴ともいえるのが、「二本松少年隊」の存在です。

戦場に散った、若き魂




戊辰戦争では奥羽越列藩同盟に参加した二本松藩。

新政府軍が城下に迫る中、兵力不足を補うため藩は12歳から17歳までの少年たちで構成される部隊を急遽編成。
これが「二本松少年隊」です。

彼らは大人たちに交じって、圧倒的な兵力と火力を誇る新政府軍を相手に勇敢に戦いました。
故郷を守るため、大砲の煙の中にその若い命を散らせていったんです。

その勇ましい姿が今は銅像となり、城の玄関口である箕輪門の前に飾られています。


その勇ましい少年たちの像の裏手には、針仕事をしているような淋しげな母の像。

死地であると分かっていながら、我が子を戦場へと送り出さねばならなかった母の心境。
その断腸の思い、子との別れの寂しさを思うと胸が締め付けられ、涙が出そうになります。

城門に刻まれた、歴史の記憶



二本松城の正門にあたる「箕輪門」。
現在の門は、昭和57年に江戸時代の絵図や古写真をもとに、忠実に復元されたものです。

この堅固な門もまた、戊辰戦争の際には激しい攻防の舞台に。
門の梁には、当時の弾痕も残されているんだとか。
まさに歴史の証人ですね。


『にほんまつ城報館』で見た、二本松少年隊を再現した映像。
その勇猛果敢な戦いぶりも、親の立場で考えるとやるせない気持ちになります。

彼らと刃を交えた、新政府軍の兵士たちの心情はどうったたのか。
自分の子どもや弟と歳の変わらない少年たち、それでも敵だからと銃で撃たねばならなかった。
その心の傷は、いかばかりだったことでしょう。


二本松少年隊の隊士は、総勢62名。
そのうち戦いで命を落としたのは、隊長格の木村銃太郎を含め25名にものぼると言われています。

最年少はわずか13歳。
彼らの名前と年齢が記された一覧を前に、ただ言葉を失っていました。



こちらは城代家老であった内藤四郎兵衛が戦死した場所。
彼は落城を悟ると城に火を放ち、敵兵が目前に迫る中、箕輪門を開け放って群がる新政府軍中に突撃したと言われています。

藩を守る責任者としての、最後の意地だったんでしょうね。

静かに歴史を見つめる、樹齢350年の松





箕輪門の北側、石垣の上には、見事なアカマツの古木が何本も根を張っています。

その多くは、傘状に枝を広げ、長い枝を石垣の下へと垂らしている。
これらの松は、もともと土塀の代わりに植えられたものと考えられているそう。

江戸時代の記録から推察すると、その樹齢は、なんと350年を超えるとか。
戊辰戦争の、あの悲劇も、この松は、静かに見つめていたんだなと。

最後に




この階段を登っていくと、先ほど訪れた、本丸跡へとたどり着きます。

平成の大改修で蘇った壮大な石垣、そこから望む安達太良山の雄大な景色。
そして随所に残る、戊辰戦争の悲劇の痕跡。

この霞ヶ城は、美しさと哀しさを同時に併せ持った非常に印象深い城でした。

いや〜、素晴らしい城だったな。
さて、そろそろ郡山へと戻るとしようかというところで、続きはまた明日。




【おまけのワンポイント】
・少年兵の悲劇は会津の「白虎隊」が有名ですけど、二本松少年隊も壮絶なものだなと実感。歴史好きの方にはオススメの観光地でした。

2025年10月9日木曜日

【旅行】分厚いヒレカツに唸る!二本松『戒石茶屋』で出会った「二つの主役」ランチ

【この記事のポイント】
・二本松・霞ヶ城の麓にて、地元らしい蕎麦屋の『戒石茶屋』を発見。名物の「ソースカ-ツ丼」、好奇心で頼んだ「冷やしラーメン」のセットを注文。分厚いのに驚くほど柔らかなヒレカツと、上品な出汁が効いた冷たいラーメン、その両方のクオリティの高さに感動。


霞ヶ城の本丸から麓へと移動、さて、駐車場の近くでランチにするとしますか。

いくら城下町とはいえ、この近辺で混むお店なんてまずないだろう。
そうは思いつつも、やはり12:00前にはお店に入っておきたいところです。

地元のいかにもといった雰囲気のお店はないものかな…

城下の人気店、『戒石茶屋』との出会い




おぉ、まさにそれっぽい佇まいのお店を発見、『戒石茶屋』という名前。

暖簾をくぐって店内に入ると、意外にも席はすでに6割ほどが埋まっています。
その後も続々とお客さんがやってきて、あっという間に席待ちの行列ができるほどの人気ぶり。

危なかった。
早く入っておいて良かった。


さて、何を食べようか。

メニューを眺めていると、「ソースカツ丼」の文字が目に留まります。
「大名」にすると、ヒレカツが3枚とは凄い。
でもランチとしては、こりゃちょっとやり過ぎだよな…

お、セットメニューに、「たぬき中華とソースカツ丼」というのがあるじゃないですか。

「たぬき中華」とは何?
その未知の響きに好奇心が働き、これにしようかと思ったその時。

「(たぬき中華は)冷やしラーメンに変更できます」という、小さな注釈を発見。
ん?冷やし中華、はなく、「冷やしラーメン」?。

山形などで食べられる、スープも麺も冷たいあのスタイルなのかな。
たぬき中華と冷やしラーメン、どちらを食べてみたいか…

まだまだ残暑が厳しい9月、ここは「冷やし」を選んでおくべきだろう。
「すみません。『たぬき中華とソースカツ丼』のセット、冷やしラーメンに変えてお願いします。」

想像を超える、二つの主役




待つこと10分ほど。
運ばれてきたセットは、豆腐の小鉢、きゅうりの漬物、そして香ばしそうな焼き豚まで付いてきて、これはなかなかに豪華じゃないですか。

よし、それでは頂きましょう。


まずは、ソースカツ丼から。
ソースの甘い香り、分厚いヒレカツに食欲をそそられます。

まずは、カツだけを一口…
おぉ、これは柔らかい!

こんなに分厚いのに、噛むとほろりと、まるで繊維がほどけるように簡単に噛み切れてしまう。
そして衣と肉の間から、肉汁がじゅわっと溢れ出してくる。


見てくださいこの厚み、なのに無茶苦茶柔らかい。
ヒレ肉特有のしっかりとした赤身の旨味、甘めのソースが絶妙にマッチ。

ご飯との相性も、もちろん最高。
カツ1枚のセットでも、その感動は十二分に味わえました。


続いて冷やしラーメンのスープを一口…
お〜、超冷たいぞ。

そして麺をずるり。
これもまた超冷たくて、最初は味がよく分からないほどでした。

でもスープを何度か口に含み、この冷たさに舌が慣れてくると、その奥にある上品な美味しさが徐々に姿を現します。


出汁がしっかりと効いた、あっさりとした醤油スープ。
蕎麦つゆのような甘さはなく、非常にキリッとした味わいです。

麺は、中細のストレート麺。
冷水で締められているためか、ビヨンとした独特の強いコシがあります。

天かすでコクを出し、ワカメやカマボコといった和のテイスト。
そして紅ショウガとワサビというのはちぐはぐな組み合わせですけど、それぞれがこの上品なスープの中でしかるべき役割を果たしていました。

最後に




食後には、「ぜひ飲んでいってください」と、セルフサービスのコーヒーまで。
苦みと酸味がしっかり、美味しい一杯でした。

これだけのボリュームと、二つの主役級の料理。
食後のコーヒーまで付いて1,350円、驚くべきコストパフォーマンスですね。

いやぁ、美味しかった。
ご馳走さまでした。






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