モーションウィジット

2023年7月20日木曜日

【旅行】雲仙が巻き起こしてきた災害の爪痕

【この記事のポイント】
・「土石流被災家屋保存公園」という名の通り、土石流に埋もれた家が当時のまま保存されている様子を見学、途轍もない自然のパワーに圧倒された



次なる目的地は、自然の恐ろしさを垣間見ることができる観光スポット。

島原はユネスコジオパークに指定されていて、雲仙の火山活動の痕跡を観ることができるんです。
本当はあちこち回りたいんですけど、この後に原城址を観にいくので時間がないのが残念。

そこでやってきたのが『土石流被災家屋保存公園』、道の駅ひまわりに隣接しているので、車も停めやすい。

1991〜95年の普賢岳噴火時の際、土石流災害により被災した家屋がそのまま保存されているという公園で、いきなり屋根だけを残して埋まってしまった家に遭遇。
こりゃ凄いな。

土石流発生のメカニズムを解説したパネル。
①火道内をマグマが上昇するにつれて、内部には水蒸気などの火山ガスが泡をつくる。
②溶岩ドームが崩れ落ちると、中に閉じ込められていた火山ガスが 溶岩を粉々にしながら一気に膨れ上がり、火砕流が発生する。
③雨が降り火山交じりの重い泥水ができると、大岩を浮かすように流し始め土石流を発生させる。

なるほどねぇ。
でも、豪雨被害の土石流は家を破壊し尽くすのに、土台や屋根が残っているのは何でだろう。
「川の中を流れる土石流は狭いところを流れるので、大きな破壊力をもっている。 川からあふれ出した土石流は薄く広がるように流れるため、破壊力が弱まる。」

そういうことだったか。

建物内に入ると、近隣から移設したという家も含めて3棟の家。
1992年8月の土石流では事前の避難勧告で人的被害はなかったものの、平均2.8mの土砂に埋没したんだとか。

土石流の前段階、火砕流で大勢の方が亡くなった、というのはご記憶の方も多いですよね。

改めて調べてみると、発生は1991年6月3日、死者40人行方不明3名という大規模災害。
亡くなった方の多くが報道関係者で、警戒にあたっていた消防団員や警察官も12名も犠牲になったそう。

メディアの報道合戦はこの教訓を今日でも活かしているのかどうか... ちょっと怪しいものがあるかな。

1991年の噴火から遡ると、江戸時代の1792年に大きな人的被害をもたらしたの大噴火があったんだとか。

この時は雲仙岳眉山が山体崩壊し、崩れた山が海に流入して大津波が発生。
対岸の熊本で5,000名、返す波が襲った島原では10,000名もの方が亡くなり、「島原大変肥後迷惑」として記録に残っています。

この日、雲仙岳は雲に覆われてましたけど、この平和そうな山が持つパワーは半端ない。

自然の力強さ、恐ろしさ、そして防災の重要さをこういった形で残してくれている島原に感謝。
一見の価値あるスポットでした。




土石流被災家屋保存公園
長崎県南島原市深江町丁6077
見学時間9:00〜17:00
年中無休
無料

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