モーションウィジット

2019年4月7日日曜日

【観光】悲劇を等身大のジオラマで、こりゃなかなか面白いぞ

宗吾霊堂のユニークな見所は、宗吾御一代記館。
 
佐倉惣五郎の物語を人形と13場面ジオラマで再現しているもので、開館は1967年と50年以上前。
ここ、子供の頃に一度見学した記憶があるんですよね。
 
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今回もこれに入ろうと思ったものの…
え、入場料700円も取るの?
 
歴博が値上げ後に600円、コンテンツの充実度からすると随分と割高だなぁ。
でも、もう二度と来ないかもしれずだし、入ってみるか。
 
 
佐倉惣五郎の物語、以下に概略を記しておきます。
 
・江戸時代初期、堀田正信が藩主の時代、国家老らの悪計により不当な重税をかけられ、農民達は極度の困窮に陥っていた。
・有力者だった佐倉惣五郎、農民達の一揆を思い留まらせ、藩へに税軽減を掛け合うが叶わず。
・惣五郎、江戸に出て老中久世大和守に駕籠訴、これも叶わず。いよいよ将軍家徳川家綱への直訴を覚悟。
・直訴は家族にも類が及ぶので、妻と子供には離縁と勘当を申し渡し、惣五郎は上野寛永寺にて直訴を果たす。
・領民は悪政から救われる事になるが、惣五郎は磔刑、4人の子供達は打首に。
 
悲しいお話ですね。
少しでも明るくするため、以下は展示に対して全くの脚色を添えていきます。
 
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「ご家老様…。そろそろお開きにしませんか?」
「何を申すか。酒宴が楽しくないというのか!」
 
「わかっておりますが… もうこの酒宴は50年以上続いておりまする。」
「うむ…さすがに長いが、悪巧みの象徴である酒宴を観せることが我らの役目。我慢せい。」
「はあ…」
 
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「家老め、ふざけんじゃねぇぞ!」
「よし、一揆だ!」
 
「まぁ待て待て、私にいい考えがあるんだ。」
 
「惣五郎さん、いい考えって何でい?」
「そりゃ、今は言えないが…」
 
「へっ、将軍への直訴だろ。直訴しなきゃ後世まで名前が残ったりしないもんな。何ならここで惣五郎さんをぶっ殺したろうか。」
「いや、それだけはご勘弁を…」
 
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「久世様、これを!」
「むむ、何奴!」
 
久世様は、こんなやりとりにたいそう驚き。
籠の天井に頭をぶつけて倒れ、妙な体勢に仰け反ってしまいました、かな。
 
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「子供達よ、父ちゃんは長旅に出る。」
「え~、明日から誰が稼いでくるんだよぉ。」
「困るよ~。」
 
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「父ちゃんには大事な仕事があるんだ。わかってくれ。」
 
(私は妻。だから惣五郎さんが何をしようとしているのか、私は知っている。でもそれを今、子供達に言う訳にはいかないわ。)
「お父さんはああ言っているけどね、きっと…浮気だわ。」
 
「えぇっ、そうなの?」
 
(本当にそうであれってくれれば、貴方達子供が死罪になることはないのに…なんて悲しいんでしょう…ウゥッ)
 
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茶化して書いてきてしまいましたけど、死を覚悟して、妻や子供には絶縁状を書くまでして、直訴に及んだ佐倉惣五郎。
そこまでできる人なんて、世の中いないだろうなと。
 
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この日は団体客とたまたま一緒に入館、係員のおばさんが各シーンを口上解説してくれました。
 
これがまた素晴らしく、感情移入してしまうんです。
最後のこの場面では、思わず涙がこぼれそうになったというのが正直なところ。
 
宗吾御一代記館を見学する際には、切符売り場のおばさんに解説を是非お願いしてみてください。
感動すること間違いなしですから。
 
 
宗吾御一代記館
成田市宗吾1-558(宗吾霊堂敷地内)
0476-27-3131
営業時間:8:30~16:00
休館日:月(祭日の場合は火)
 

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