・ドライブ旅行の途中で寄った「短時間で楽しめる名所」。かつて世界一の155mを誇った「日立大煙突」、明治43年築、数々の名作のロケ地となった「旧上岡小学校」をご紹介。
今回の茨城旅行、初日のメインルートは昨日ご紹介した御岩神社から袋田の滝へと至り、宿へチェックインするというもの。
この行程だけだと、少々時間に余裕が生まれます。
かといって、他にもう一つメジャーな観光地を詰め込むには時間が足りない…
そんな時に最適な、道中で出会える「短時間で楽しめる、ちょっとした名所」をご紹介します。
日立の象徴:かつて世界を仰いだ「大煙突」の記憶
まずは、日立中央ICから御岩神社へ向かう山道で目に飛び込んでくるこの光景。
「山の上に何か塔のようなものが立っているな」と気づかれた方は鋭い。
これは煙突、日立の近代化を象徴する歴史的建造物「日立大煙突」です。
現在はJX金属日立事業所の設備として現役で稼働、間近へ行くことはできないものの、その物語は実にドラマチックなんです。
1914年に完成した当時、その高さは155mに達し、世界一の煙突としてその名を轟かせたもの。
元々は銅の精錬過程で発生する煙害を克服するため、高層大気へ煙を放出することを目的に建設された、環境対策の先駆けともいえる存在。
日立製作所や日立市の発展はこの煙突と共にあり、地域住民にとっては街のアイデンティティそのものだったそうです。
ところが1993年、長年の風雪と老朽化に耐えきれず、強風の中で突如として倒壊。
現在の姿は、倒壊を免れた根元の54m、かつての3分の1の高さになってしまったものの、今もなお現役の設備として煙を上げ続けています。
「折れてなお立ち続ける姿」には、どこか不屈の精神を感じますよね。
車窓を流れる工業都市の輪郭、煙突の物語を知ることで「開拓の叙事詩」へと姿を変えます。
味覚のクロスオーバー:御岩神社で見つけた「和酒珈琲」
続いては、御岩神社の参道で見かけた非常に興味深いお店について。
メニューに踊るのは「ワイン珈琲」に「和酒珈琲」の文字です。
ワイン珈琲は、厳選したコーヒーの生豆をワインに浸し、天日乾燥を経てから焙煎するという凝ったプロセスを経て作られるもの。
一方の和酒珈琲は、日立が誇る名門・森島酒造の銘酒「大観」を使用しているんだとか。
アルコール分は焙煎の熱で飛ぶものの、豆の内部には酒やワイン特有の華やかなアロマと深みがしっかりと閉じ込められるんだそうです。
地元の歴史ある蔵元と珈琲文化が融合した、まさに味覚のレイヤーが重なるような新感覚の逸品。
行列ができていたので諦めましたけど、一度は飲んでみたい珈琲ですね。
明治の薫り:旧上岡小学校と謎のオブジェ
御岩神社を後にし、大子町(だいごまち)の市街地へと車を走らせると、映画のセットのような美しい木造校舎。
「旧上岡(うわおか)小学校」です。
明治43年(1910年)築。
そのノスタルジックな佇まいは、数多くの映画やドラマ、そしてミュージックビデオの撮影地として愛されてきたんだとか。
登録有形文化財にも指定されているこの校舎。
見学は基本的に土日祝日のみとのことですけど、1月3日は土曜日なのでどうだろうか。
若干の期待を込めて訪れたものの、残念ながら閉鎖…
でも、外観からだけでも明治期の教育建築の粋を感じることができ、窓ガラスに映る冬の空が実にフォトジェニックでした。
板張りの廊下、古い机が並ぶ内部を拝むのはまた次回。
新緑か紅葉の季節の宿題にすることにしましょう。
校舎のそばでふと目に留まったのが、この馬のオブジェ。
2026年の干支に関連した展示なのか、あるいは芸術家によるパブリックアートなのか。
近寄れないのでその正体は謎に包まれたままですけど、古い木造校舎を背景に佇むその姿には独特の詩情があります。
正体がわからないからこそ、想像を膨らませて眺めるのも旅の醍醐味ですね。
こうした「ちょっとした寄り道」は、旅に深みを与えてくれるものですね。
さて、明日の記事ではいよいよ、日本三名瀑の一つ、「袋田の滝」の絶景についてお届けしますので、どうぞお楽しみに!
【おまけのワンポイント】
・日立大煙突の物語は、新田次郎の小説『ある町の高い煙突』に詳しく描かれているんだそう。映画化もされているとのことで、一度観てみたいなと。
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