・本番のローストビーフを成功させるための「偵察機」としてのローストポーク。 三元豚を超える「四元豚(よんげんとん)」、その交配の歴史と「元」の定義とは。
先日綴った新年会用のローストビーフ。
実はあの本番の裏で「お試し」として焼いていたのが、今日の記事の主役であるローストポークです。
和牛の塊肉は、失敗が許されない高価な食材。
そのため、まずは手頃な豚肉で火の通り具合やオーブンの機嫌を確認するのが私の手順となっているんです。
調達先は、お馴染みの『生鮮市場TOP』。
そこで手にしたのは「四元豚」の肩ロースです。
「元」が語る交配の歴史:四元豚の正体
まず読み方ですが、これは「よんげんとん」と読みます。
この「元」とは交配に使われた原種豚の系統数を指しており、異なる長所を持つ4つの品種を掛け合わせることで、肉質の安定と旨味の最大化を図ったハイブリッドな豚であることを意味しているんだとか。
三元豚が3品種の交配であるのに対し、さらに一系統を加えることで、より緻密な霜降りや食感の良さを追求しているのが特徴なんだそう。
ローストポークやローストビーフを調理する際、最も留意すべきは肉塊の中心温度です。
牛ならレアやミディアムレアを狙って54°C〜57°C程度。
豚の場合は安全面を考慮しつつ、しっとり感を残すために63°C〜65°Cあたりが理想的な着地点なんです。
同時火入れの誤算:120℃、60分の明暗
例年なら別々に焼くんですけど、今年はつい横着をして、ビーフとポークを同時にオーブンへ。
「ビーフの方が大きいから、ポークの焼き時間に合わせりゃ大丈夫だろう」という目論見だったものの、これが誤算。
120°Cで60分、焼き上がりに中心温度を計測してみると、どちらも60°Cを超えてました。
ビーフは狙いよりも火が通り過ぎてミディアムに、一方のポークはほどよい仕上がり。
断面は淡いピンク色です。
付け合わせとして一緒に焼いた玉ねぎを刻んで、肉汁と共に塩胡椒で味を整えれば、特製のオニオンソースに。
さて、それでは頂いてみましょう。
まずは一口。
お、キメ細かな繊維が解けるような食感が絶妙なのは、四元豚の特徴なんだろうか。
噛みしめるほどに豚肉本来の甘みが広がり、玉ねぎソースの程よい酸味が脂の旨味をさらに引き立てます。
「予行演習」と呼ぶにはあまりに贅沢で、主役を食わんばかりの完成度だったかな。
和牛か、豚か:オカズとしてのポークの逆襲
別の日、冷蔵庫で寝かせておいたローストビーフとローストポークを夕食のメインに。
サシの入った和牛5等級の濃厚な旨味は「ハレの日」の風格、でも日常の食事として箸が進むのは、不思議とポークの方。
しっとりとした赤身の潔さと、脂身の軽やかな甘さが白米に実によく合うんです。
正直なところ、豪華な和牛よりもこの滋味深いポークの方が好みかもしれないと再認識。
それぞれの肉が持つ特徴を噛みしめる、実に贅沢な食べ比べとなりました。
ITで「博打」を終わらせる:温度計の進化
肉の中心温度は、基本的に焼き上がった後に「事後計測」するもの。
そのため、焼き上げてみるまで成功か失敗かわからない「一種の博打」のような側面があります。
愛用の調理用温度計も古くなってきたことだし、新調しようかとネットを検索していたところ… お!
なんと、オーブンに入れている最中も常に肉に刺したままで、リアルタイムに中心温度を測定できる温度計があるとは。
これがあれば、「焼き上がってから測る」という博打とはおさらば。
「目標温度になった瞬間にオーブンを止める」という、再現性の高い調理が可能になりますね。
値段も手頃、う〜ん、これは欲しいぞ…
ここで冷静な自分も登場。
「ローストビーフを作るのは年に1回だけ。そのために専用ガジェットを所有するのは合理的か?」
今のところまだ「カートに入れる」ボタンは押していませんけど、来年の「博打」を避けるために導入すべきか。
悩みは尽きないものですね…
【おまけのワンポイント】
・四元豚は、一般的に「L(ランドレース)」「W(大ヨークシャー)」「D(デュロック)」に、さらに「B(バークシャー)」などを加えた血統が主流なんだそうです。
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