モーションウィジット

2025年9月8日月曜日

【散歩】明治神宮の森は人工だった!?100年後の完成形を見据えた壮大なプロジェクト

【この記事のポイント】
・明治神宮の本殿を参拝、工事を終えた壮麗な姿に改めてその威厳を感じます。その後、初めて足を踏み入れる北側のエリアへ。100年先を見据えて造られた人工の森の秘密や、武道場「至誠館」、そして重厚な「宝物殿」など、知られざる明治神宮の奥深い魅力を探訪しました。



昨日に引き続き、明治神宮の探訪レポート。
日本一の大鳥居をくぐり、いよいよ本殿へと向かいます。

威厳と静寂に包まれる、明治神宮本殿




本殿に到着。
前回訪れた2017年は、ちょうど創建100年事業の一環で社殿の屋根葺き替え工事が行われていました。

今回、初めてその全景を拝むことができましたけど、先日訪れた橿原神宮に比べるとコンパクトでありながら、やはり同様の背筋が伸びるような威厳を感じさせます。

この本殿は、国内産の檜をふんだんに使った「流造(ながれづくり)」、日本の神社建築で最も多い様式で建てられているんだそう。
残念ながら創建当初の社殿は第二次世界大戦の空襲で焼失、昭和33年に全国からの寄付によって再建されています。

国民の敬愛の念が、この美しい社殿を支えているんですね。


ふと、絵馬掛けに目をやると、その由来についての解説がありました。

- もともとは、雨乞いなどの際に神様の乗り物である本物の馬(神馬)を神社に奉納していた。
- それが時代とともに困難になり、木の板に馬の絵を描いて奉納するようになったのが「絵馬」の始まり。

なるほど、理にかなった変化ですね。
今日では馬だけでなく、様々な願い事や干支が描かれている絵馬。
その根底には、神様への感謝と祈りの心が昔も今も変わらずに流れているんでしょう。

初めて歩く、北参道の森




参拝を終えた後、まだ足を踏み入れたことのない境内の北西部を目指して歩いてみることにしました。

南参道とはまた違った、より深く、静かな森が広がっています。
この明治神宮の森が、実は全くの自然林ではなく、100年後の完成形を計算して植樹された「人工の森」なんだそう。

全国から献木された約10万本の木々を、関東ローム層の痩せた土地に根付かせるため、専門家たちが「永遠の森」をコンセプトに、生態系の遷移までを考慮して設計したのだとか。
まさに壮大な時間軸で考えられた、生命のプロジェクト。

森の先に広がる、意外な風景




深い森を抜けると急に視界が開け、広大な芝生広場に。

そして、その木々の向こうに見える天辺の尖った特徴的なビル。
NTTドコモ代々木ビルですね。

ニューヨークのエンパイアステートビルを彷彿とさせる、アール・デコ調のデザイン。
その高さは240m近くあり、都内でも有数の超高層ビルです。

神聖な森の風景と、現代東京を象徴するビルとのコントラストがなんとも面白い。


芝生広場の隣には、立派な武道場「至誠館(しせいかん)」。

ここは、柔道や剣道、弓道など、日本の伝統的な武道を修練するための道場。
明治天皇が武道を奨励されたことにちなんで建設されたそうです。

心身を鍛える「武の道」もまた、この神宮が伝える大切な精神なんだなと。


その奥に重厚な姿を見せるのが「宝物殿」。
明治天皇と昭憲皇太后ゆかりの品々を保存・展示するための施設で、国の重要文化財にも指定されています。

大正10年(1921年)に竣工、鉄筋コンクリート造りの建物としてはごく初期のもの。
日本の近代建築史においても、非常に価値のある建造物なんだそうです。


改めて境内案内図を見ると、その広大さに驚かされます。
南参道から本殿を参拝するだけでは、この神宮の半分も見ていないことになる。

橿原神宮とはまた違った、都市の中に創り出された「聖域」としての奥深さを感じますね。


北参道の鳥居に到着。

気づけば周囲は外国人観光客ばかり。そろそろ観光客で賑わう時間帯になってきたようです。
その混雑が本格化する前に、私は明治神宮を後にすることにしましょう。

次なる目的地へと向かおうというところで、続きはまた明日。




【おまけのワンポイント】
・明治神宮の「宝物殿」は、現在、本殿近くに新設された「明治神宮ミュージアム」にその機能の多くを移しています。宝物殿の建物自体は、その歴史的価値から保存されていますが、展示を観たい方は、まずミュージアムの方を訪れるのが良いでしょう。

0 件のコメント:

コメントを投稿