・科博特別展の後、常設展示へ再入場。母の要望で、圧巻の動物剥製「ヨシモトコレクション」、興味深い科学技術展示、そして恐竜フロア巡り。多くの発見と学びがあった常設展見学をレポートします。
国立科学博物館で特別展「古代DNAー日本人のきた道ー」の見学して、御徒町の松坂屋でランチを済ませてと。
さて、この後どうしようか。
再び上野に戻り、科博の常設展示を観るか、それとももう帰ろうか。
上野の隣駅まで来てしまっている状況で、再び混雑しているであろう科博に戻るのは少し面倒だな、というのが正直なところ。
私も息子も、そして父も科博の常設展は何度か訪れたことがあり、「もういいかな」というムードになっていたんですよね。
しかし、ここで強い意欲を示したのは母。
私たちが「地球館にある動物の剥製展示は凄いんだよ」と話していたのを耳にして、「それはぜひ観てみたい」と。
よし、それならば御徒町から上野まで一駅だけ電車に乗って、余計な体力の消耗を抑えつつ、科博の常設展示に再入場することにしましょう。
再入場券、アナログな認証
科博を一旦出る際、忘れずに再入場券をもらっておきました。
この再入場券、実にアナログ。
ただの紙切れにデート印が押され、人数が手書きで記入されているだけ。
しかしこれさえあれば、当日の再入場は可能なんです。
最新の科学技術を扱う博物館、こうした仕組みは昔ながらのまま。
ある意味、信頼に基づいた効率的なシステムと言えるかもしれませんけどね。
圧巻の「ヨシモトコレクション」
科博に戻って、まず目指したのは母がお目当ての動物剥製展示。
地球館の3階にある「ヨシモトコレクション」は、ハワイの日系二世実業家、ヨシモト氏から寄贈された膨大な数の哺乳類の剥製標本群です。
フロア全体にぎっしりと並べられた剥製の数々。
アフリカのサバンナに生息する動物から、北極圏のホッキョクグマ、日本のツキノワグマまで。
一体何種類の、何体の動物がここにいるのだろう。
初めて観た時も、そして何度か観ている今回も、その圧倒的な数と迫力に圧倒されます。
ヨシモトコレクションは、ヨシモト氏自身が世界各地で狩猟によって得た標本群とのこと。
これほど巨大な熊も、彼自身が仕留めたものなんだろうか。
そうであれば、かなりの勇気と技術が必要だったはずですね。
剥製一つ一つから、彼らの生きていた土地の風景、そして狩猟という行為の緊張感が伝わってくるよう。
剥製にされた動物たちの命に思いを馳せると、少し感傷的な気持ちにもなります。
高所恐怖症と科学の不思議
ヨシモトコレクションの展示室の一部は、床がガラス張りになっていて下が見える造り。
高所恐怖症の私は、こうしたガラス張りの床が苦手。
意味もなく、ガラス面を避けて鉄骨の上を選んで歩いてしまいます。
そんな私の様子を見た母、「昔からXX(私のこと)はこういうの嫌いだったんだよね」と。
え、そうだったの。
高所恐怖症は大人になってから発症したものだと思っていたんですが、どうやら子供時代から高い場所や下が透けて見える場所を怖がっていたようです。
自分の意外な一面を、親の一言で気づかされたなと。
「方位磁石は、なぜ南北の方向を示すのだろう」。
磁石の基本的な性質でありながら、改めて問われると深く考えてしまう問いですね。
地球が巨大な磁石であること、そして方位磁石の針が地球の磁力線に沿って動く原理について、分かりやすく解説されていました。
次のお題、「電波は光と同じ電磁波だ」という展示。
スマートフォンやWi-Fi、テレビやラジオなど、私たちの生活に不可欠な電波。
目に見える光と同じ電磁波の一種であり、波長や周波数が異なるだけであるという原理を示しています。
ITの基礎を視覚的に理解できる展示で、これもなかなか興味深い。
江戸時代の科学技術から深海まで
時代や分野を超えた科学技術に関する展示も充実。
こちら、江戸時代以降の日本の科学技術に関する展示です。
鎖国時代にあっても、日本独自の科学技術が発展していたり、海外から伝わった技術を応用したりしていた歴史が分かる貴重な展示。
おぉ、これが有名な平賀源内のエレキテルか。
江戸時代中期の発明家、平賀源内がによる静電気発生装置ですね。
NHK大河ドラマ『べらぼう』でも描かれていた、平賀源内の活躍ぶり。
当時の人々に驚きと好奇心を与えたであろうエレキテル、科学技術が人々の生活や文化に与える影響の大きさを感じさせる展示です。
時代は一気に進み、海洋科学技術の粋を集めた展示へ。
「しんかい6500」の断面展示です。
私は過去にJAMSTEC(海洋研究開発機構)の施設で実物を観たことがあるので、これは実際の潜水調査船の約1/2スケール模型であることがわかります。
でも初めて観る人にとっては、これが実物大なのかと錯覚してしまう微妙に紛らわしい大きさだなと。
息子が「これ、凄いよね」と言っていた展示、九元連立方程式求解機です。
複数の未知数を含む連立方程式を機械的に解くための装置、戦前日本の計算技術のレベルを示すもの…らしい。
理系の息子には凄さが理解できるんでしょうけど、文系の私には正直さっぱり。
九元連立方程式って何?
この機械で求めた解が本当に正しいって誰がわかるの?
などなどの疑問だらけ。
そして恐竜フロアへ
地球館の3階、2階と観て回り、そろそろ帰ろうかなと。
ん? そういえばまだ見ていないフロアがあったな。
「恐竜の骨なんて興味ないよね?」と、念のため母に確認したところ、意外にも「ちょっとだけでも観てみたい」と。
フロアに入ると、母は隅から隅まで、本当に興味深そうに展示を見学し始めました。
聞けば、これまで科博の常設展をちゃんと観たことがなかったんだとか。
恐竜の巨大な骨格標本や地球の歴史に関する様々な展示、母は目を輝かせじっくりと観ていました。
これだけ興味を持つなら、また今度、常設展を観に来てもいいかもしれない。
そんなことを思うほどの勢い、正直言ってちょっと驚き。
最後に
国立科学博物館の常設展示、今回は特別展とはまた違った角度から、地球の歴史や生命の進化、そして科学技術の歩みに触れることができたなと。
特に、ヨシモトコレクションの迫力、科学の基本的な原理を示す展示、そして江戸時代から現代までの技術の変遷など、多岐にわたる展示は素晴らしい。
様々な発見と学び、そして家族との時間が詰まった一日に感謝です。
国立科学博物館
東京都台東区上野公園7-20
050-5541-8600
営業時間 9:00〜17:00
休館日 月曜日
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