・名古屋・千種区の水の歴史資料館で、水道施設の役割や料金の歴史などについて学習。資料館周辺のウォーキングでは思わぬハプニングもありつつ、「水を飲みて源を想う」という大切な気づきを得ました。
昨日も書いた名古屋ウォーキング、水道史探訪の続き。
前回は千種区にある水の歴史資料館に立ち寄り、名古屋の水道の始まりについて触れました。
今回は、その資料館での学びを深めつつ、再び周辺の水道関連施設を巡っていきます。
水の歴史資料館での学び(後編)
『水の歴史資料館』の展示、けっこう見応えがあるんです。
こちらは、名古屋の水道施設の象徴とも言える、東山給水塔の写真と模型。
優美な円筒形のデザインは、どこか異国の建築物のようです。
昭和5年に完成したこの給水塔は、現在も現役で水を供給しているとのこと。
都市景観の一部としても親しまれており、近代化遺産としても価値の高い建築物ですね。
給水塔と似た施設に「配水塔」というものがあります。
給水塔は浄水場から送られてきた水を一時的に貯めておくもの。
対する配水塔は、給水区域へ水を安定した圧力で供給するためのものだそうです。
写真の稲葉地配水塔は、その役目を終えた後、解体されることなく、図書館や演劇練習場として再利用されているというのが面白い。
古いインフラ施設が新しい形で市民生活に根ざしているというのは、歴史好きの好奇心をくすぐります。
水道料金の歴史に関する展示も興味を引きました。
かつて、名古屋の水道料金は一律だった時期があるそう。
使用量に関わらず、1戸につき45銭という定額制。
なぜかというと、当時は水道メーターが高価で、各戸に設置することが難しかったからだとのこと。
定額制だと水の無駄遣いが問題になり、やがて水道メーターの普及とともに計量制へと移行。
技術の発展が料金システムを変え、人々の水の使い方も変えていったんだなと。
資料館の展示には、遊び心を感じさせるものも。
これは、広川ポンプ所の建物内を描いたトリックアート。
高さを感じる構図で、はしごに掴まっているようなポーズで記念撮影ができるよう。
こうしたユーモアのある展示は、歴史やインフラに馴染みのない人でも楽しめますね。
とはいえ…
高所恐怖症の私には、こんなトリックアートでも背筋がゾクゾクする、ちょっとした恐怖体験。
歴史的なインフラに関連する展示物として、レンガ積みのマンホールもありました。
これは、下水道の初期に使われていたもの、内部がレンガで丁寧に積まれています。
現代のコンクリート製とは異なり、職人の手仕事を感じさせる構造。
地中に埋もれた場所にも、確かな技術と手間がかけられていたことに感心、まさに隠れた産業遺産です。
再びウォーキングへ、そして驚き
水の歴史資料館での学びを終え、再びウォーキングに出発。
東山配水場5行配水池、浄水場から送られてきた水を一時的に貯め、安定した圧力で市内各所に送り出すための重要な施設。
近代水道の心臓部の一つと言えるでしょう。
遠くにみえるのは… おぉ、あれが東山給水塔か。
資料館で模型を見たばかりなので、実物に出会えたことに感動です。
キノコのような、どこかかわいらしい独特のシルエットに関心しながら、給水塔へ近づくために歩道橋を渡り始めると…
いきなり足元の鉄板が「バコン!」と。
大きな音を立てて凹むという予想外の出来事にびっくり。
夏の暑さで鉄板が熱せられ、膨張して歪み、私の体重で彎曲したんでしょう。
頭では理解できるのものの、あの大きな音と感触は心臓に悪い。
「底が抜けるんじゃないか!?」とかなりビビったなと。
夏場の橋や道路、温度変化による思わぬ挙動があるものです。
水を飲みて源を想う
今回の水道史探訪ウォーキングで感じたことがこの碑に。
「水を飲みて源を想う」。
蛇口をひねれば、いつでも当たり前のようにきれいな水が使える現代。
これは、過去からの数多くの人の苦労、技術の進歩、そして維持管理に携わる方々の不断の努力を通じてもたらされるものです。
その「源」に感謝する気持ちを忘れてはいけないなと、強く思いました。
普段は意識しない都市のインフラに光を当てるウォーキング、多くの学びと気づきを与えてくれます。
最後に
名古屋・千種区での水の歴史を巡るウォーキングは、予想外のハプニングもありつつ、非常に有意義な時間に。
水の歴史資料館での学び、そして実際に水道関連施設や近代化遺産に触れることで、都市の暮らしを支える見えない努力について、深く考える機会を得ました。
知的好奇心と運動を兼ねたウォーキングは、やはり面白いもの。
また機会を見つけて、様々な都市のインフラや歴史の痕跡を辿ってみたいと思います。
水の歴史資料館
愛知県名古屋市千種区月ケ丘1-1-44
052-723-3311
営業時間 9:30〜16:30
休館日 月曜日、年末年始
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