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2025年3月17日月曜日

【博物館】身長172cmの古墳人!?松戸市立博物館で古代の謎に迫る

【この記事のポイント】
・松戸市立博物館は、旧石器時代から現代までの松戸の歴史を網羅的に紹介する博物館。河原塚1号墳の人骨展示や小金牧の解説など、古代から江戸時代までの松戸の歴史を深く知ることができる。



昨日は「21世紀の森と広場」の散策模様をお届け、本日は敷地内にある松戸市立博物館のご紹介です。

松戸市は、私の住む市川市に隣接。
その歴史を学んでみようと、博物館の扉をくぐります。

入館料は310円と非常にリーズナブル。気軽に立ち寄れるのが嬉しいですね。

1993年に開館したというこの博物館。
30年以上経過しているとは思えないほど、館内は清潔で美しく保たれています。

旧石器時代から始まるという展示は、博物館ではお決まりの構成かな。

メインの展示エリアに足を踏み入れると、その広さと整然とした美しさに驚き。
歴史の流れに沿って、縄文、弥生、古墳時代と続き、中央政権成立後は以下の順。
・平安時代の下総国
・鎌倉時代の千葉氏
・戦国時代の高城氏
・江戸時代の松戸宿
そして一番奥は、現代の松戸市に関する展示となっていました。


河原塚1号墳に眠る古代の記憶

特に興味深かったのは、河原塚1号墳に関する展示。

河原塚1号墳は、縄文時代の貝塚の上に築かれた古墳。
盛り土にも貝塚の土が使用されたため、人骨の保存状態が非常に良いとのこと。

50歳を超える男性の人骨は身長172cm。
古墳時代の男性の平均身長(163cm)と比較すると、大柄なのは古墳に埋葬されるような身分の高い人だからか。

でもそれ以上に驚いたのは、3歳くらいの幼児の人骨も一緒に埋葬されていたという事実。
解説によると、肉親ならば祖父と孫の関係ではないかとのこと、事故や病気などで同時に亡くなってしまったんですかね。

古代の人々の生活や死生観について、深く考えさせられる展示でした。


下総国の物産と小金城

続いて、延喜式に記された諸国物産図に目が留まります。

上総国は9品目もの物産が記載されているのに対し、下総国はわずか5品目。
しかもその全てが上総国でも採れるものばかりというのは、当時の下総国は、特筆すべき産物がなかったということなんだろうか。

戦国時代の松戸地域を支配していた高城氏の居城、小金城の模型も興味深いもの。
そういえば小金城には、かつて私も足を運んだことがありました。

高城氏というのは、室町時代には千葉氏やその重臣である原氏の家臣、戦国時代には小田原北条氏の配下になった土豪勢力。
北条方として国府台合戦にも参加しており、1590年の小田原征伐で所領没収、江戸幕府の旗本となったとのことです。


江戸時代の小金牧

江戸時代の松戸地域は、小金牧と呼ばれる馬の放牧地だったんだとか。

徳川将軍家は、この地で御鹿狩を4回も行っています。

字は「おしかがり」、読み方は「おししがり」。
鹿だけでなく、イノシシも狩っていたんでしょう。
武芸奨励だけでなく、害獣駆除も目的だったと言われています。

御鹿狩を始めたのは徳川吉宗で、自らも2度参加。
動員された旗本は2千人以上、農民の勢子は2万人以上、合計で1,300頭もの鹿が狩られたそうです。

派手さはないものの、江戸時代までの松戸の歴史を効率よく知ることができる展示。
なかなか面白かったんですよね。

さて、今回はここまで。
明日は松戸市立博物館のメイン展示である常盤平団地を再現した原寸大展示についてご紹介しますので、どうぞお楽しみに。




松戸市立博物館
千葉県松戸市千駄堀671
047-384-8181
開館時間:9:30~17:00
休館日:毎週月曜日(月曜日が祝日の場合は翌日)、毎月第4金曜日、年末年始

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