【この記事のポイント】
・1日40万リットルの湧水に癒やされる御手洗池。AIで人を消した清らかな水面と三色だんごの記憶
・要石とナマズの石像に手を合わせ、参道で見つけた冷たいビールで旅のフィナーレに乾杯
・212人を討ち取った剣豪・塚原卜伝の碑。佐原・鹿島を巡る充実の旅を終えて帰路へ
昨日に続いて鹿島神宮の記事、奥宮から更に奥に進みます。
1日40万リットルの湧水。神聖な空気が漂う御手洗池
御手洗池、鹿島神宮のなかで私が最も好きな場所なんです。
古くは参拝者がここで身体を清めてから、神前に向かったという池。
1日40万リットル以上の湧水が出ているんだそう。
かつては船の船着き場。湖の底だった街の記憶と清らかな水
神社の最も奥にあたるのに、「ここで身体を清めてから」というのはちょっと不思議ですよね。
鎌倉時代まで北浦は現在よりも広く、現在の鹿島神宮駅をはじめ市街地は湖の底。
参拝に来るのは船、御手洗池の近くに上陸地点があった、ということなんだそうです。
写真では人がおらず神聖な静寂が漂っていますけど…
実は結構な人がいたのを、AI技術で綺麗に消し去ったのはここだけの秘密。(あ、言っちゃった)
神聖な空間を再現するためのデジタルな禊(みそぎ)、神様もきっと許してくれるでしょう。
12年前の思い出が甦る。ランチ直前に母と食べた三色だんご
お、三色だんご、12年前に食べたなぁ。
この後すぐにランチだというのに、母がどうしても食べたいと言い出して、仕方なく付き合ったんだったっけ。
ナマズを押さえ込む武神。記憶に刻まれる小さな石像
ナマズを押さえ込む武甕槌大神の石像。
小さな石像なんですけど、これがあるおかげで鹿島神宮=武甕槌大神というのが記憶に残るんですよ。
香取神宮にも経津主大神がナマズの尻尾を押さえる石像があれば、経津主大神の記憶も残るだろうに… ん?
実は存在しているのに、私が認識していないだけ?
やばい、これはますます罰当たりってもんですね。
地中深くへと続く巨石。露出が増えたようにも見える要石
要石に到着、なんだか以前よりも露出部分が増えたような。
香取神宮でも思いましたけど、これが特別な石、地中深くまで続いている巨石であるとよくわかったものだなと。
答えは神のみぞ知る、ですかね。
さて、表参道まで戻ってと。
あとは電車で家に帰るのみと来りゃ…
あっ、Sさんはもう呑んでいるじゃないですか。
旅の締めくくりはビールで。参道で見つけた至福の乾杯
私も負けじと。
今回の旅、なかなか面白かったなということで、皆で改めて乾杯。
(我々2名以外は、ソフトドリンクやソフトクリームでした)
表参道で見送る鹿の像。古の記憶を宿す鹿島のシンボル
表参道を駅に向かうと、鹿のモニュメント。
地名にある通り、この地は古くから鹿と縁が深い場所。
参道で出迎えてくれる凛々しい姿を見ていると、神の使いとして大切にされてきた歴史の重みを改めて感じますね。
生涯無敗の剣豪。鹿島新當流の開祖・塚原卜伝の凄まじい戦績
鹿島で剣を下げているといえば、鹿島新當流の開祖、塚原卜伝ですよね。
彼が生きたのは1489〜1571年、戦国時代真っ盛り。
弟子が残した戦績の現代語訳を引用しましょう。
・真剣(本物の刀)での決闘が19回、戦場での合戦に加わること37回、ただの一度も不覚を取ることはなかった。
・木刀などによる仕合(練習や野試合)は、すべて合わせると数え切れないほど何百回にも及ぶが、切り傷や突きの傷を体にただの一箇所も受けなかった。
・飛んできた矢による傷を6箇所に受けた以外は、一度も敵の武器が体に当たることはなかった。
・おおよそ決闘や戦場で立ち会い、自分の手で直接討ち取った敵の数は、212人にのぼると言われている。
う〜ん、強い。
212人を討ち取ったというのも半端じゃないですけど、矢で6回も傷を負っても生きているというのも凄い。
旅の終着駅へ。充実の2日間を胸に刻んだ帰路の始まり
佐原の江戸情緒から香取神宮、極上のフレンチに12年に一度の御船祭、そして鹿島神宮。
年老いた両親の足取りを案じつつの行程ではあったものの、誰一人脱落することなく歩ききれたのは何よりでした。
蕎麦屋で1時間待たされたり、母や妹から料理が次々とパスされたりと、計算外のハプニングも含めて実に味わい深い旅。
息子にとっても、妹やSさんにとっても、それぞれの記憶にしっかりと刻まれる夏の終わりになっていれば何よりです。
やっぱり旅っていいものだな。
心地よい疲労感を背負いながら、ガタゴトと揺れる電車に乗り込んで家路へと向かいます。
長い連載にお付き合い頂き、誠にありがとうございました。
【おまけのワンポイント】
生涯無敗を誇った剣豪・塚原卜伝ですが、彼の真骨頂は「戦わずして勝つ」という究極の合理主義にあったんだそう。有名なのが琵琶湖の渡し舟でのエピソードです。
血気盛んな若い武士から真剣勝負を挑まれた卜伝は、「私の流派は相手を倒すのではなく戦わずして勝つ『無手勝流(むてかつりゅう)』だ」と答え、周囲に迷惑がかからないよう小島に船を着けさせました。そして相手が息巻いて刀を抜き島に飛び降りた瞬間、卜伝は竿をひと押しして舟を岸から離し、「戦わずして勝つとはこれよ」と武士を置き去りにしたんだそうです。
無駄な戦いやリスクを徹底的に排除し、知恵で相手を制するこの姿勢、現代のビジネスや危機管理にも通じる最高のリスクヘッジ術と言えるかもしれませんね。(「や〜い、引っかかったな〜」とか言ったのかな…)








