【この記事のポイント】
・オーケーストアの冷凍「耳までチーズのピザ」に躍る、私の勝手な期待と現実
・生地の中に折り込まれているかと思いきや、フチに載っているだけという解釈のねじれ
とある日、今日の夕食はピザにしよう。
オーケーストアで見かけて買ってきたのがこれ。
『耳までチーズ』という甘美な罠
パッケージには「耳までチーズ」の文字。
そう聞くと、普通はどこを想像するか。
「生地のなかにチーズが折り込まれている」じゃないでしょうか。
パッケージをオープンすると、こんな感じ。
なるほど、やっぱり。
「中」ではなく「上」。解釈のねじれとコストの壁
生地の中にチーズを入れるなんて、700円のオーケーのピザに期待してはいけないですよね。
「耳までピザ」というのは、表面にのったチーズが耳まで到達しているということ。
全周にわたってというわけではなく、ところどころ耳が見えてしまっているのもやむを得ないでしょう。
でもこれ、期待を裏切られたと感じる人も多いんじゃないかな。
さて、それでは頂くとしましょう。
焼き上がったピザから立ち上る、スモーキーなバーベキューソースの甘辛い香り。
一口齧ると、じっくりと煮込まれて細かく裂かれたプルドポークのホロホロとした繊維質な食感と、豚肉の濃厚な旨味が口いっぱいに広がります。
甘酸っぱくスパイシーなソースが肉によく染み込んでおり、とろけるチーズのミルキーなコクと塩気が抜群のコンビネーション。
さらに、生地のモチモチ感と耳の部分のサクッとした軽快な歯ごたえが、具材のジューシーさをしっかりと受け止めています。
ピザ全体のフチまで到達したチーズの焦げた香ばしさが、肉の旨味をさらに引き立てていく。
甘味、酸味、塩味、スモーキーな風味が三位一体となった、非常にジャンキーで満足感の高い本格的な味わいです。
アメリカのピザ屋がくれた、過剰なおもてなしと孤独な消化試合
ピザといえば、若い頃のアメリカでの出来事。
一人での夕食にピザを食べようと、ホテルの近くにあったファストフード店に入ったんです。
オーダーしてしばらくすると、カウンターのお姉さんに呼ばれます。
何やら早口でまくしたてられるんですけど、え? 「トラブル」って言っているぞ。
出てきたのはパイナップルとベーコンのピザ。
私がオーダーしたのは別のもの(何を頼んだのかはもう記憶しておらず)だったので、一瞬、言葉が通じなかったのかと焦ります。
え、もしかして「言葉がわからなかった」というのが「トラブル」なのか?
事態が飲み込めないまま、でも最後の「OK? Just a moment.」に「OK」と答えてしまった手前、店を出るわけにもいかず。
なんとかパイナップルとベーコンのピザを食べ終えて、そろそろ店を出ようか。
「I'm leaving now.」で通じるよななんて考えていると、お姉さんが再びこちらに近づいてきます。
手に持っていたのは、焼き立ての私が本来オーダーしたピザ。
ここでようやく「あぁ、なるほど」と合点がいきました。
詳しい事情は聞き取れなかったものの、私の頼んだピザの準備(あるいは焼き加減)に何らかのミスがあったというのが「トラブル」。
焼き直すのに時間がかかる、だからその間、「このピザ(サービス)を食べて待っていてね」という意味だったというわけです。
おかげでピザ2枚食べることができて大儲け…
なんてことはなく、パイナップルのピザでお腹はかなり満たされて、ホテルの部屋で本命ピザを食べ切るのに一苦労でした。
そんな苦さと美味しさ半々の記憶ですけど、今だとあのピザ、1枚ですら食べ切れるかどうか。
当時の頑強な胃袋よ、カムバック…
【おまけのワンポイント】
ピザの「耳(外周の膨らんだ部分)」は、イタリア語で「コルニチョーネ(cornicione)」と呼ばれ、日本語では「額縁」を意味します。ナポリピザなどでは、酵母の働きによってこの額縁がガスでぷっくりと膨らみ、サクッともちもちした最高の食感が生まれるシステムです。近年では、この耳の部分を残さず食べてもらうため、中にチーズやソーセージを仕込む「クラストハック」が世界的に発達し、日本のデリバリーや冷凍ピザでも定番の仕様になっているんですね。



