【この記事のポイント】
・特急「相馬野馬追2号」で行う、3時間の快適な上野への帰還進軍
・車内に持ち込まれた「やわらかほっき貝」と「のしいか」が織りなす、極上の車内酒宴
・「何もしない時間」を強制的に享受する、電車の旅ならではの非日常の贅沢と総括
原ノ町駅には、予定通り14:30過ぎに到着。
駅構内は人でごった返していましたけど、我々は14:50の相馬野馬追2号に乗ればいいだけ。
事前にチケットを押さえておいた過去の自分に、「よくやった」と感謝の言葉を伝えたくなります。
上野までの3時間ちょっと、電車旅に備えての物資調達は極めて重要な任務ですよね。
駅の売店で無事に「兵糧」を確保し、車内へと乗り込みます。
電車は予定通りに出発。
さて、電車旅といえばお決まりの一杯とツマミをというところで…
「これ、一つ食べる?」と息子。
いつの間にやら、道の駅で調達していた焼きまんじゅうなんだとか。
こういう抜け目のなさ、さすがは我が息子w
まずは甘いもので、二日間の強行軍による肉体の疲れを優しく癒やすのもいいもんですね。
さて、ここからが本番。
喉の渇きを潤してくれるのは、寶酒造の「焼酎職人レモン」。
そしてツマミは、相馬の名産物の一つである「やわらかほっき貝」です。
よし、それではお疲れさまと乾杯!
(と言っても息子は酒にそれほど強くなく、この日は飲まずだったので一人で静かに)
まずはチューハイをグビッと…
う〜ん、いいなぁ。
6kmの徒歩移動ですっかり乾ききった喉に、スッキリとしたチューハイの強炭酸が心地よく染み渡ります。
あぁ、人生ってつくづく楽しいものだなぁと感じる至高のひととき。
つまみはどうだろう。
おぉ、「やわらか」の看板に偽りなしの食感。
噛み締めれば、北寄貝特有のしなやかな弾力とともに、じわりと上品な甘みと豊かな磯の香りが溢れ出してきます。
余計な調味料を必要としない、素材そのものが持つ天然の旨味。
これをスッキリ爽快な炭酸のレモンチューハイで洗い流す瞬間は、まさに2日間の労苦をすべて帳消しにしてくれます。
これは息子も気に入ったようで、二人でムシャムシャと食べていたら…
あれ、もうほとんどないぞ。
家で食べようかと、もう一つ買っておいた甘辛「のしいかなんこつ」。
これも開けちゃおうかな。
全部食べきれないだろうけど、まぁこの手のおつまみなら封を切っても数日は大丈夫だろう。
な〜んて思っていたんですけど、これがヤバいほどに美味。
最初は甘さとピリッとした辛さが同居し、ちょっと味が濃いめでチューハイによく合うなという第一印象。
ところが硬軟あわせ持つ軟骨を奥歯で噛み締めていると、奥から旨味がどんどん増してくるんです。
一つ食べ終えると、またあの濃いめの甘辛から旨味への変化を楽しみたくなる。
そして時々、冷たいチューハイをちょびっと口に含んで舌をリセットする。
う〜ん、こりゃ止まらんぞ。
アルコールを嗜まない息子は、のしいかを連続投入して悦に浸る私を不思議そうに眺めています。
だよな、こりゃ呑んでないとわからないのは当然。
半分ほどまで食べて、さすがにやり過ぎかなと自制。
でも5分もしないうちに再び手が延びて…
結局、いわきに着く頃にはこれも見事に完食していました。
(あれっ、家で食べるツマミがなくなってしまった…)
「電車のなかで3時間ちょっと座っているなんて、耐えられるかな。」と心配していたのは単なる杞憂。
呑んだ後は、気分よくグッスリでした。
普段の生活を振り返ってみると、呑んで寝るだけの「何もしない3時間の余白」をもつことはほぼ不可能。
電車の旅はそれを強制的に提供してくれるというわけです。
この「空白づくり」、実は日常から切り離された極上の非日常の醍醐味なんだと実感です。
そんなこんなで、上野駅に到着したのは18:00ちょっと過ぎ。
強行軍で忙しかったけれど、この上なく楽しい、中身の詰まった週末を過ごせたことに心から感謝です。
連日にわたり、相馬野馬追紀行にお付き合い頂きありがとうございました。
【おまけのワンポイント】
常磐線特急「ひたち」に投入されているE657系は、在来線特急の中でも屈指の表定速度(停車時間を含めた平均速度)を誇る俊足エクスプレス。
もともと石炭輸送などのバイパス路線として整備された歴史を持つ常磐線は、アップダウンが少なくカーブも緩やかな「平坦で直線的な線形」を有しており、これがE657系の高い高速性能を余すことなく引き出すインフラになっているんだそうです。





