【この記事のポイント】
・鳥の海ふれあい市場に立ち寄って、妻と娘へのお土産探し
・抹茶に激似? 意外な調和を見せる亘理名物「春菊ソフトクリーム」にも挑戦
満足度100%だったランチの後は、お土産のお買い物。
「鳥の海ふれあい市場」というのは道の駅みたいな施設、ここでお土産物を購入できるのも便利です。
「鳥の海ふれあい市場」は、東日本大震災の津波被害から亘理の漁業と農業の復興を支援するために建てられた直売所だそう。
地元の漁師さんや農家さんの情熱がぎゅっと詰まった場所ということでしょう。
港のすぐそばで、獲れたての海の幸や大地の恵みが手に入る、まさに地域と旅人を繋ぐ「温かい憩いの広場」。
店内に一歩足を踏み入れると、売り子さんの威勢の良い声と磯の香りに一気に包まれます。
直売所の棚をのぞいてみると、お〜、魚が安い!
丸々と太ったワラサ(ブリの幼魚と言いつつも、体長は優に70cmを超える大物)の三枚おろしが、なんと丸ごと一匹分で1,000円。
魚好きの私としては買いたい衝動に駆られるものの、今日は自転車の旅。
う〜ん、なんとも残念。
気を取り直して、もう一つの亘理名物である「いちご」のコーナーへ。
妻と娘はいちご好きなので、ここでお土産を買おうかな。
すでに仙台駅で定番の「萩の月」を確保、ここでさらに亘理の地元いちごを使ったお菓子を追加すれば鉄壁。
自宅で待つ反乱分子… じゃなくて妻と娘を見事に鎮圧できる算段を整えてと。
さて、ここで一息、港でコーヒーでも飲もうかというところで...
むむっ、ブレンドソフトクリームの「春菊」って... こりゃなんだ。
以前、常磐道の東海SAで食べた水戸納豆ソフトほどのインパクトはないものの、もしこっちを先に見ていたら十分に驚く一品。
息子が食べてみるというので一口もらうことにして、私はアイスコーヒーを購入です。
さて、その春菊ソフトクリームを息子が一口...
親としては、「うわっ、なんだこれ!」という苦悶の表情を期待していたんですけど… 「あ、普通に美味しいよ」という拍子抜けな一言。
本当かいな、と私もスプーンを借りて一口。
...あれ?
正直なところ、がっかりするほど違和感がないんです。
春菊といえば、基本的には鍋やすき焼きの脇役として登場する、あの独特の青臭さと苦みがトレードマーク。
好き嫌いが真っ二つに分かれる食材の筆頭ですよね。
ところが、これが粉末状になってソフトクリームの濃厚な甘みと融合すると、不思議なことに上品な「抹茶ソフト」のような装いに。
抹茶に比べると、後味に春菊らしいシャープな苦みの角が残るものの、乳脂肪分のコクが見事にそれを包み込んでくれています。
な〜んて、こうして偉そうに語っている私は、自他ともに認める「味覚の許容値が広すぎる男」。
「食べられる食材を捨ててしまうのは勿体ない」という昭和の精神(あるいは合理的貧乏性)が働き、どんな変わり種でも最後まで完食できてしまうんですよね。
なので、私の変わり種グルメに対する「大丈夫」という評価は、普段なら全く信用できず。(と、家族から言われます)
今回は食に妥協のない息子も太鼓判を押していたので、一般的な舌でも間違いなく、美味しい一品です。
さて、そろそろ亘理に戻ろうか。
せっかくなので、途中にある「蛭塚」にと思ったら、入口の橋は封鎖。
普段は公開していないようです。
この「蛭塚」は、あの坂上田村麻呂が東夷征伐の折にこの地で大量の蛭(ひる)に襲われ、それらを退治して埋葬した塚であるという奇妙な伝説が残されているんだとか。
ほかにも、かつての領主が土地の境界を示すために築いたとか、海からの津波を防ぐための祈念碑だったという説もあるそうです。
木々に覆われた静かな塚には、歴史のロマンと民間信仰の不思議な空気感が漂っている。
公開されていないのは残念ですけど、封鎖された橋の向こうに広がるうっそうとした緑を眺めるだけでも、十分に旅情をそそられるものです。
電動チャリのバッテリーは10%減って90%。
鳥の海に到着する前にこうなっていたんですけど、10%単位で刻まれるのでおそらく現状は80%強というところでしょう。
さて、ここから簡単な計算に入ります。
・ここまでの道のり(約8km)で実質20%を消費したと仮定すると、1%あたりの航続距離は約0.4km。
・今日この後の行程が12km、ルートのぶれの安全マージンを見込んで16kmと設定すると、予測消費量は20 + 40% = 60%。
・だとすれば、明日の朝の時点で手元に残るバッテリーは40%強、最終目的地の亘理駅までの6kmも完全に安全圏内に収まるはず。
理屈の上では完璧な計算が成り立つものの、やはり見知らぬ土地の坂道で力尽きるのは避けたいなと。
この電動自転車には、アシストの強さに応じて「パワー」「オート」「ロング」の3段階のモードがあります。
もちろん、電力を最も節約できるのが「ロング」。
よし、ここからは「パワー」の使用を極力制限し、「ロング」を標準モードとして節約運転に徹しよう。
そんなチビチビとした省エネ走行にしたところ…
若さに任せてペダルを踏み込む息子との車間距離は、みるみるうちに開いていくのでした。
亘理の市街地へと差し掛かったあたりで、息子が自転車を止めて待っていてくれた場所がここ。
眼の前には、「過去の津波浸水区域 ここまで」と書かれた一枚の看板があります。
海岸線からは直線距離で軽く5kmは離れているであろうこの静かな住宅地にまで、あの日の濁流が押し寄せていたという事実に絶句。
あれから早くも15年という歳月が流れ、街は美しく再建されているものの、この看板が静かに語りかける歴史の教訓を決して風化させてはならない。
そう胸が締め付けられる思いでした。
なんていうところで、続きはまた明日。
【おまけのワンポイント】
電動自転車のバッテリー消費は、単なる走行距離だけでなく、乗員の体重や向かい風の抵抗、そしてアシストを起動する「発進時の回数」に最も大きく依存。ストップ&ゴーの多い市街地を抜け、遮るもののない一本道を一定のペースで走る港湾エリアでは、バッテリーの減りが予想以上に緩やかになる傾向があるんだそうです。
予測計算に少しの「心の余白」を持たせることで、旅の精神的な消耗もまた合理的にコントロールできるわけですね。



