・「近くて遠い町」松戸へ!戸定歴史館訪問前に、駅近くの松戸神社とその周辺を歴史散歩。龍の伝説が残る橋や徳川慶喜ゆかりの地、そして幕末の志士・竹内啓の墓など、知られざる歴史に触れました。
とある休日。
今日は以前から少し気になっていた、千葉県松戸市にある「戸定歴史館(とじょうれきしかん)」へ行ってみようかなと。
自宅から歩いて行けない距離でもないものの… いや、待てよ。
まずは電車で現地まで行き、しっかり見学してから帰りに体力があればウォーキングを楽しむ。
そんなプランの方が効率的、よし、今回はその作戦でいこう。
松戸市は私が住む市川市とは隣接、でも電車で行こうとすると、これが意外と乗り換えが多いんです。
- 下総中山駅(JR総武線)→ 西船橋駅
- 西船橋駅(JR武蔵野線)→ 新松戸駅
- 新松戸駅(JR常磐線)→ 松戸駅
この煩雑さもあって、今までちゃんと訪れたことがほとんどなかったというのが正直なところ。
今回は、そんな「近くて遠い町」松戸の歴史に触れる、良い機会になりそうです。
久々の松戸駅と、宿場町の面影
というわけで、JR松戸駅に到着、この駅に降り立つのは本当に数えるほど。
2階建て構造の駅前は、記憶の中の姿とあまり変わっていないような気がします。
戸定歴史館へ向かう前に、まずは駅近くの観光スポット「松戸神社」へ立ち寄ることに。
この松戸神社、江戸時代には水戸街道の宿場町として栄えた松戸宿の中心部にあったもの。
かつての本陣跡(大名などが宿泊した施設)のすぐ近くに鎮座しており、歴史を感じさせる佇まい。
参道の違和感と、龍の伝説が潜む橋
かつての水戸街道は、現在のJR線路側ではなくこの松戸神社の西側を通っていたんです。
なので松戸神社の大鳥居はJR駅から遠い方にあり、駅側からのアプローチの際は違和感を覚えるかもしれません。
その大鳥居と社殿の間には、穏やかに流れる「坂川(さかがわ)」。そしてこの川に架かるのが「潜龍橋(せんりゅうばし)」です。
この橋の名前には、「龍が潜む」という何とも曰くありげな謂れがあるそう。
かつて坂川は暴れ川で、洪水を繰り返していたらしい。
その水害を鎮めるために龍神を祀り、橋にその名を冠したのかもしれず。
龍は水の神であり、豊穣や治水の象徴でもあるので、この地に龍の伝説が残るのも自然なことなのでしょう。
松戸神社の歴史と、ユニークな見どころ
潜龍橋を渡り、いよいよ社殿へ。
松戸神社の創建は寛永3年(1626年)、御祭神は日本武尊(やまとたけるのみこと)。
古くからこの地域の総鎮守として、人々の信仰を集めてだそう。
水戸徳川家の崇敬も篤く、歴代藩主が参拝に訪れた記録も残っているんだとか。
現在の社殿は明治時代に再建されたもの、それでも歴史の重みを感じさせます。
境内を散策していると、ん、これは… 亀。
松戸神社には、「百度も亀の子(ひゃくど も かめのこ)」と呼ばれる願掛けの風習があるんだとか。
社務所で亀の子(小さな亀の置物)を授かり、それを持ちながら百度参りをし、最後にその亀の子を納めることで願いが成就する。
この像は、その風習にちなんだものなのでしょう。
亀は長寿や幸運の象徴、可愛らしい姿に心が和みます。
こちらは「御神水」。
松戸神社の境内には古くから湧き出る泉があり、この水は「万病に効く霊泉」として信仰されてきたそうです。
現在も飲むことができ、多くの人がこの水を汲みに訪れるとか。
松戸神社を出て坂川沿いを歩くと、「あなたも慶喜公気分」と書かれた説明板。
徳川慶喜が明治時代になってからここを訪れて、自ら写真を撮ったんだそう。
その写真も展示されていましたけど、ビルのない坂川は長閑でいいものでした。
常磐線を越えて、維新の志士の墓へ
戸定歴史館へ向かう途中、JR常磐線を跨ぐ大きな歩道橋を渡ります。
常磐線は明治29年(1896年)に田端~土浦間が開通したのが始まり。
その後延伸を重ね、現在は東京と東北地方を結ぶ重要な幹線となっています。
眼下を行き交う電車を眺めていると、鉄道が日本の近代化に果たした役割の大きさを改めて感じます。
歩道橋を渡った先、ひっそりと佇むお墓。
「維新の志士 従五位 竹内啓(たけうち けい)先生之墓」と刻まれています。
この竹内啓という人物について調べてみると、幕末の勤王派志士。
1867年に栃木県栃木市出流町で挙兵、幕府軍に負けて古河で捕らえられたんだそう。
武蔵国羽生陣屋に護送する途中、江戸の混乱に乗じて竹内啓を奪還する動きがあるかもしれない。
また、出流の乱を鎮圧した幕府方の関東取締出役の屋敷が襲われたという知らせもあり、報復のため竹内啓は初k制されたんだそうです。
こんな事件があったとは、これまで全く知らずでした。
おわりに
さて、松戸神社とその周辺を巡って、いよいよ目的地の戸定歴史館が近づいてきました。
松戸という町にあまり馴染みがありませんでしたが、少し歩いてみるだけでも、様々な歴史の痕跡や興味深いスポットに出会えるものです。
さてと、明日の記事では、戸定歴史館についてご紹介したいと思いますので、どうぞお楽しみに。
松戸神社
千葉県松戸市松戸1457
047-362-3544
出入り自由
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