・成田太鼓祭りのオープニング「千願華太鼓」。まさかの市長ギャグ連発で会場が沸いた後、全国から集結した個性豊かなチーム紹介、そして500人超の一斉演奏の迫力と感動。
昨日の記事に続き、成田太鼓祭りのオープニング「千願華太鼓」の様子についてです。
まずは冒頭に成田市長の挨拶。
短ければいいな、固すぎなけれないいなと案じていたら、これがギャグ連発でかなり面白かったんです。
「最近は関税が話題ですけど、そのうち大谷選手にも関税がかかるんじゃないでしょうか。」
ん? 大谷に関税って、どうなるんだ?
会場の皆さんはそもそもギャグなんだかどうかもわからず、笑いも起きない様子に成田市長は即座に反応。
「成田山は桜が綺麗なので有名なんです。虚しく散っていくのは、桜の花と髪の毛。」
ここでドッと笑い、市長さんの髪は薄めなんです。
「物価高で4月からはビールも値上がり。いくら節約しても泡と消えていく。」
会場は大盛りあがり、時事ネタと笑いを絡めるというのはかなり高度な技だなと感心。
「節約節約、財布の紐は一番搾り。」
「いよっ、上手い!」なんて掛け声も飛んだりと、すっかり会場の心を掴んでいました。
お次は全国各地から集結した参加チームの紹介。
単に名前を読み上げるだけでなく、各チームが短い演奏で「音による自己紹介」をしていくスタイル。
これがまた、それぞれの個性が出ていて面白い。
個性炸裂! 各チームの「音の名刺」
トップバッターは、高知県から参加の「土佐和太鼓文化研究所「一響館」侍」の皆さん。
厳かな法螺貝(ほらがい)の音で始まるという、意表を突く演出。
そして、メンバー構成が女性中心というのも、力強い和太鼓のイメージとのギャップがあって非常に印象的でした。
続いては、遠く岩手県から駆けつけた「鼓風(こふう)」の皆さん。
人数は少なめのようですが、打ち鳴らす音は実に力強く重厚。
東北の厳しい自然の中で培われたような、芯の強さを感じさせる演奏です。
それにしても、あんなに大きな太鼓を岩手から運んできたんだろうか…
さぞかし大変だったことでしょうね。
がらりと雰囲気が変わり、「東京おとめ太鼓」、和太鼓アイドルとして紹介されていました。
いやはや、アイドルの世界も多様化しているんだなと。
太鼓のリズムには自然と体が動き出すような高揚感あり、アイドルパフォーマンスとの親和性は意外と高いのかもしれません。
新しいカルチャーの萌芽を感じさせる、ユニークな存在です。
そして、ひときわ異彩を放っていたのが、地元・千葉県銚子市から参加の「銚子はね太鼓保存会」。
これはもう、演奏というより「格闘技」に近い。
公式サイトの記述を引用させていただくと…
> はね太鼓とは、江戸時代から銚子だけに伝わる日本一過激な格闘技のような太鼓で銚子市無形文化財である。
二人の打ち手が太鼓を担ぎ上げ、首とあばらで太鼓を支えながら打って跳ね、跳ねては回り、太鼓もろとも宙を舞う。
極めつけは「ねかせ打ち」担ぎ手の一人を抱え込み地に這わせ太鼓を打ちまくる黒潮躍る海の男の力と技の太鼓です。
>
まさに、この説明通りの迫力。
太鼓を担ぎながら跳ね回り、アクロバティックな動きで打ち鳴らす様は、荒々しくも勇壮。
海の男たちのエネルギーがほとばしるような、圧巻のパフォーマンスでした。
…といった具合に、北は岩手から南は高知まで、参加50チーム以上がそれぞれ持ち時間わずかながらも特色ある演奏を披露。
これだけでも見応え十分、日本各地の多様な太鼓文化に触れることができる貴重な時間でした。
圧巻! 500人の魂が響き合う一斉演奏
そしていよいよ千願華太鼓のクライマックス。
500人を超える打ち手の皆さんが、心を一つにして一斉に太鼓を打ち鳴らします。
リハーサルでもその迫力の一端は感じていましたけど、本番のエネルギーはやはり格別。
大地を揺るがすような重低音、天に突き抜けるような高音、そして揃ったリズム。
音の波が、振動が、全身を包み込みます。
華やかな衣装を纏った大勢の打ち手、一糸乱れぬ動きでバチを振るう姿は視覚的にも壮観そのものです。
打ち手の皆さん、大半が若者なんですよね。
これだけ多くの若者が、日本の伝統文化である和太鼓に情熱を注ぎ、真剣に取り組んでいる。
そんな姿を見ていると、なんだか胸が熱くなってきます。
私自身が若い頃は、どちらかというと西洋の音楽や文化に憧れていて、日本の伝統芸能なんて見向きもせず。
その魅力、奥深さに気づいたのは、ずいぶん歳を重ねてから…40代も半ばを過ぎた頃だったかな。
何がきっかけだったのかは、もう定かではなし。
でもおそらく、自分の中に眠っていた「日本人としての感性」のようなものが、自然と呼び覚まされたのでしょう。
ん?
ゲームセンターで一世を風靡した「太鼓の達人」は2001年稼働とのこと。
もしかして、若い人が興味をもったのはこれがきっかけだったりするんですかね。
まあ、何であれ、若いうちからこうして太鼓に親しみ、その楽しさや力強さを体現している。
そんな彼・彼女らの姿を見ると、日本の未来はまだまだ明るいな、なんて心強く思うと同時に、ちょっと羨ましくもあります。
次の舞台へ – 成田山公園へ
さて、この後11時30分からは、参道や駅前など、街中の各所に設けられたステージでの太鼓演奏が始まるんです。
それまで少し時間があるので、新勝寺の裏手に広がる「成田山公園」を散策してみようかな。
というところで、続きはまた明日。
【おまけのワンポイント】
・太鼓の達人にはスマホ版もあったらしいですけど、一部を除き昨年10月にサービス終了とのこと。スマホで太鼓って、そりゃ流行らないですよね。
0 件のコメント:
コメントを投稿