・息子から届いた嬉しいお裾分けは、10数年ぶりのシャコ!懐かしい知多半島の思い出が蘇ります。激減した漁獲量に驚きつつ、殻剥きに奮闘!プリプリ濃厚なその変わらぬ美味しさに感動しました。
とある日のこと。
宅急便で発泡スチロール箱が届いて、開けてみると中にはびっしりと詰められた海の幸。
一人暮らしをしている息子が送ってくれた、ふるさと納税の返礼品。
「自分が食べてみて美味しかったから、ぜひ家族の皆にも」とわざわざ送ってくれたものでした。
懐かしの味との再会 – ボイルシャコ
箱の中身は、なんと「シャコ」。
いやはや、シャコを食べるなんて、一体いつ以来だろう。
おそらく、10年以上はご無沙汰しているんじゃないかなと。
あれ?これ、生きているのか… いやそんなわけがない。
なんてこともわからないぐらい久々なんですよね。
シャコと聞くと、私がいつも思い出すのはまだ若かった頃のこと。
妻のご両親に連れて行ってもらった、愛知県・知多半島にある有名な海鮮料理店『まるは食堂』。
そこで、まさに「これでもか!」というほど、山盛りのシャコが出てきて、心ゆくまで堪能させてもらった贅沢な体験です。
変わる漁場 – 伊勢湾・三河湾のシャコ事情
3年ほど前に名古屋駅の『まるは食堂』に立ち寄った際、メニューにあったシャコの値段が記憶の中のイメージよりもずっと高価になっていて、少々驚いたことを思い出しました。
気になったので、伊勢湾・三河湾のシャコ漁について、ITの力を借りてネットで調査。
するとやはりというか、残念ながら近年は漁獲量が大幅に減少していることが判明しました。
- 統計を見ると、1970年代から90年代初頭にかけては、年間1,500トンを超える漁獲量を記録していた時期もあった。
- その後は減少の一途をたどり、2020年にはわずか61トンにまで落ち込んでしまった。三重県も同様の傾向。
私が知多半島でシャコを飽きるほど食べた頃と比べると、漁獲量は実に1/25以下になってしまっている計算か…
これは衝撃的な数字。
その一方で、近年は北海道の石狩湾など、北方の海域でシャコの漁獲量が増加する傾向も見られるとのこと。
かつては伊勢湾・三河湾や東京湾が主要な産地でしたが、その構図も変わりつつある。
海の環境変化の影響で、漁場が移動しているようですね。
いざ実食! 10数年ぶりのシャコの味は…
さて、少々しんみりとした話になりましたけど、目の前には美味しそうなシャコ。
感傷に浸っている場合ではない、早速、頂くとしましょう。
シャコは殻を外すのがひと手間。
ハサミでまず頭を落として、尻尾をV字に切り落とす。
その後に両サイドをカットしていくんですけど、これが浅すぎると殻が上手く外れず。
思い切ってカットしていくのがコツとわかっていても、食べられるところを切ってしまっては勿体ないと、ケチって切り落として失敗するんですよね。
何とか取り出した可食部、そのまま何もつけずに一口。
おぉこれ、 この味、この食感。
プリッとした弾力のある歯ごたえの後に、噛むほどにじわっと広がるシャコ独特の濃厚な旨味、そしてほんのりとした甘み。
エビともカニとも違う、この繊細でありながらもしっかりとした存在感のある味わい、まさにシャコならでは。
身はしっとりとしていて、パサつきは一切なし。
身に残る磯の香りが食欲をそそります。
メスが腹側に抱えているオレンジ色の卵(カツブシとも呼ばれます)は、まさに珍味中の珍味。
ねっとりとした食感と濃厚なコク、一度食べたら忘れられない美味しさです。
醤油をほんの少しだけ垂らして食べると、シャコの甘みがさらに引き立つ。
これはもう、日本酒が欲しくなる味。
10数年ぶりの再会でしたけど、その美味しさは記憶の中のそれと変わらず。
いや、むしろ希少になった今だからこそ、より一層美味しく感じられたなと。
おわりに:感謝の気持ちと、海の恵み
「美味しいものは、家族にも味わってほしい」
そんな息子の優しい心遣いが、今回のシャコとの再会を叶えてくれたんだなと。
彼の優しい気持ちに心から感謝、そして豊かな海の恵みにも感謝。
環境の変化など様々な課題はあるんでしょうけど、こうして美味しい海の幸をいただける日常がこれからも続いていくことを願ってと。
久しぶりのシャコ、本当に美味しかった。
ご馳走さまでした。
【おまけのワンポイント】
・伊勢湾・駿河湾だけでなく。東京湾のシャコも漁獲量は減少傾向とのこと。地球温暖化が影響しているんでしょうかねぇ。
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