モーションウィジット

2025年5月30日金曜日

【ふるさと納税】10数年ぶりの海の幸!息子がくれたシャコに舌鼓 – 変わらぬ味と、変わりゆく漁獲量の現実

【この記事のポイント】
・息子から届いた嬉しいお裾分けは、10数年ぶりのシャコ!懐かしい知多半島の思い出が蘇ります。激減した漁獲量に驚きつつ、殻剥きに奮闘!プリプリ濃厚なその変わらぬ美味しさに感動しました。



とある日のこと。
宅急便で発泡スチロール箱が届いて、開けてみると中にはびっしりと詰められた海の幸。

一人暮らしをしている息子が送ってくれた、ふるさと納税の返礼品。
「自分が食べてみて美味しかったから、ぜひ家族の皆にも」とわざわざ送ってくれたものでした。

懐かしの味との再会 – ボイルシャコ





箱の中身は、なんと「シャコ」。

いやはや、シャコを食べるなんて、一体いつ以来だろう。
おそらく、10年以上はご無沙汰しているんじゃないかなと。

あれ?これ、生きているのか… いやそんなわけがない。
なんてこともわからないぐらい久々なんですよね。

シャコと聞くと、私がいつも思い出すのはまだ若かった頃のこと。

妻のご両親に連れて行ってもらった、愛知県・知多半島にある有名な海鮮料理店『まるは食堂』。
そこで、まさに「これでもか!」というほど、山盛りのシャコが出てきて、心ゆくまで堪能させてもらった贅沢な体験です。


変わる漁場 – 伊勢湾・三河湾のシャコ事情



3年ほど前に名古屋駅の『まるは食堂』に立ち寄った際、メニューにあったシャコの値段が記憶の中のイメージよりもずっと高価になっていて、少々驚いたことを思い出しました。

気になったので、伊勢湾・三河湾のシャコ漁について、ITの力を借りてネットで調査。
するとやはりというか、残念ながら近年は漁獲量が大幅に減少していることが判明しました。

- 統計を見ると、1970年代から90年代初頭にかけては、年間1,500トンを超える漁獲量を記録していた時期もあった。
- その後は減少の一途をたどり、2020年にはわずか61トンにまで落ち込んでしまった。三重県も同様の傾向。

私が知多半島でシャコを飽きるほど食べた頃と比べると、漁獲量は実に1/25以下になってしまっている計算か…
これは衝撃的な数字。

その一方で、近年は北海道の石狩湾など、北方の海域でシャコの漁獲量が増加する傾向も見られるとのこと。
かつては伊勢湾・三河湾や東京湾が主要な産地でしたが、その構図も変わりつつある。
海の環境変化の影響で、漁場が移動しているようですね。


いざ実食! 10数年ぶりのシャコの味は…




さて、少々しんみりとした話になりましたけど、目の前には美味しそうなシャコ。
感傷に浸っている場合ではない、早速、頂くとしましょう。

シャコは殻を外すのがひと手間。
ハサミでまず頭を落として、尻尾をV字に切り落とす。

その後に両サイドをカットしていくんですけど、これが浅すぎると殻が上手く外れず。
思い切ってカットしていくのがコツとわかっていても、食べられるところを切ってしまっては勿体ないと、ケチって切り落として失敗するんですよね。

何とか取り出した可食部、そのまま何もつけずに一口。
おぉこれ、 この味、この食感。

プリッとした弾力のある歯ごたえの後に、噛むほどにじわっと広がるシャコ独特の濃厚な旨味、そしてほんのりとした甘み。
エビともカニとも違う、この繊細でありながらもしっかりとした存在感のある味わい、まさにシャコならでは。

身はしっとりとしていて、パサつきは一切なし。
身に残る磯の香りが食欲をそそります。

メスが腹側に抱えているオレンジ色の卵(カツブシとも呼ばれます)は、まさに珍味中の珍味。
ねっとりとした食感と濃厚なコク、一度食べたら忘れられない美味しさです。

醤油をほんの少しだけ垂らして食べると、シャコの甘みがさらに引き立つ。
これはもう、日本酒が欲しくなる味。

10数年ぶりの再会でしたけど、その美味しさは記憶の中のそれと変わらず。
いや、むしろ希少になった今だからこそ、より一層美味しく感じられたなと。


おわりに:感謝の気持ちと、海の恵み



「美味しいものは、家族にも味わってほしい」
そんな息子の優しい心遣いが、今回のシャコとの再会を叶えてくれたんだなと。

彼の優しい気持ちに心から感謝、そして豊かな海の恵みにも感謝。

環境の変化など様々な課題はあるんでしょうけど、こうして美味しい海の幸をいただける日常がこれからも続いていくことを願ってと。
久しぶりのシャコ、本当に美味しかった。
ご馳走さまでした。




【おまけのワンポイント】
・伊勢湾・駿河湾だけでなく。東京湾のシャコも漁獲量は減少傾向とのこと。地球温暖化が影響しているんでしょうかねぇ。

2025年5月29日木曜日

【グルメ】1100円で野菜たっぷり&大満足!浮気心が正解だった『老地方』の五目焼きそば定食

【この記事のポイント】
・大手町『老地方』で思わず「五目焼きそば定食」に心変わり!シャキシャキ野菜とオイスター香る麺のハーモニーに感動、野菜たっぷり&大満足のランチでした。



とある出社日のランチ。
会社の仲間たちと「今日は中華が食べたいね」という話でまとまり、お馴染みの『老地方(ラオディファン)』へ向かうことに。

このお店、過去にも何度かブログでご紹介していますけど、本格的な中華料理を手頃な価格で楽しめる貴重な存在。

いつもなら私の定番はピリッと辛い麻婆豆腐…
あ、そうだ。

ここ数日、風邪気味で喉を少し痛めているんだった。
辛いものが喉に触れると、咳が止まらなくなる恐れが…

うーん、それなら今日は大人しく中華丼あたりにしておこうか。
なんて考えていた、その時。


直感か、浮気心か? 予定外の五目焼きそば



隣に座った同僚の一人が「冷麺」を注文。
その流れで、改めてメニューの冷麺に目をやると… すぐ上に「五目焼きそば」の文字。

私の注文の番。
なぜか口からスッと出てきた言葉は、「あ、五目焼きそば定食、お願いします」。

…あれ? 中華丼じゃなかったっけ。
自分でも予期せぬオーダー、こういうのを「直感が働いた」と言うべきか、はたまた単なる「浮気心」なのか。

まあ、いずれにせよ、迷いが多いのもまた食いしん坊の常、ということにしておきましょう。


野菜たっぷり! ボリューム満点の五目焼きそば定食





待つことしばし。
運ばれてきた「五目焼きそば定食」は、なかなかのボリューム。

メインの五目焼きそばに、スープ、サラダ、味付け煮卵、大根の酢漬け、そしてデザートの杏仁豆腐までセットに。
これで1,100円。大手町ランチとしては、十分に満足できる内容です。

特に五目焼きそばは、野菜がたっぷりと乗っていて見た目も鮮やか。
れは美味しそう。それでは頂きましょう。

まずは、セットのスープから。
程よい塩加減、優しい味わいでホッとします。

サラダも普通に美味。
今日は野菜がたくさん摂れて、なんだかいつもより健康的なランチになりそうです。


シャキシャキ野菜と香ばし麺のハーモニー





さて、いよいよメインの五目焼きそばへ。

まず印象的なのは、その野菜の種類の豊富さと、それぞれの食感の良さ。
白菜、青梗菜(ちんげんさい)、ニンジン、タケノコ、キクラゲ…これらが絶妙な火加減で炒められていて、シャキシャキとした歯ごたえがしっかり残っています。
野菜本来の甘みも感じられて、実に美味しい。

そして、香ばしく焼き色がつけられた中華麺。
この麺の食感、そしてオイスターソースの風味が野菜の美味しさをサポートするのにぴったりなんですよね。

途中でセットの味付け煮卵もパクリ。
黄身がとろりとした絶妙な半熟具合で、味もしっかり染みています。

これが焼きそばの合間の良いアクセント。
濃厚な卵のコクが、五目焼きそばの味付けともよく合います。

ボリューム満点、でも野菜が多いせいか意外と最後まで飽きずにペロリと食べ進められました。


〆の杏仁豆腐と、今日のランチを振り返って



食後のデザートは、定番の杏仁豆腐。

ここの杏仁豆腐は甘さ控えめ、杏仁の香りも強すぎない、とてもシンプルなタイプ。
このさっぱりとした味わいが、食後にはちょうど良いんですよね。

喉の調子を気遣って、いつもとは違うメニューを選んだつもりが、思わぬ「心変わり」で出会った五目焼きそば。
結果的に、野菜もたっぷり摂れて、味もボリュームも大満足。

こういう偶然の出会いがあるから、外食ランチはやめられませんね。
今日も良いランチに巡り会えたことに感謝。

美味しかった、ご馳走さまでした。






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2025年5月28日水曜日

【散歩】富士塚信仰の松戸浅間神社を探訪!&まさかのバス誘惑に負けた!? 1万歩ウォーキングの顛末

【この記事のポイント】
・松戸散策の最後に、富士塚信仰が残る浅間神社へ。静かな境内で「体に優しい五合目」も発見!さて帰路はウォーキング…のはずが歩数計と相談し、結局バスと電車で楽々帰宅した顛末を綴ります。



昨日の記事でご紹介したタイ料理の美味しいランチも堪能、さて、そろそろ帰路につくとするか。

ここ松戸から自宅のある市川市まで、ウォーキングで帰る予定、
でもその前にと。
せっかくなので、戸定が丘歴史公園のすぐ近くにある、もう一つの観光スポット「浅間(せんげん)神社」にも立ち寄ってみることにしました。


富士塚信仰の面影 – 松戸浅間神社へ




こちらが松戸の浅間神社。

全国各地にある浅間神社は、富士山を神格化した浅間大神(あさまのおおかみ)、または木花咲耶姫命(このはなさくやひめのみこと)を御祭神とする神社です。

江戸時代、富士山に直接登拝することが難しい庶民の間に広まった富士信仰。
身近な場所に「富士塚」を築き、そこへ登ることで同様のご利益が得られるとしていたんだとか。

この神社の創建は1647年とされており、この浅間神社もそうした富士塚信仰に基づいて祀られた神社の一つなんでしょう。


鳥居をくぐると、目の前に現れるのは、なかなか立派な石段。
この浅間神社は、標高約28メートルの小高い丘の上に鎮座しています。

平坦な道を歩いてきた後なので、この短いながらも急な階段はちょっとしたアクセント。
一歩一歩踏みしめて登るごとに、日常から少し離れた神聖な空間へと近づいていくような感覚になります。

木々に囲まれた参道はまるでミニチュアの登山道のよう、これはこれで楽しいものですね。


山頂(?)の風景と、静寂の空間




階段の途中には、「五合目」と刻まれた石塔。
なるほど、さすが浅間神社、ちゃんと富士登山を意識しているんですね。

標高28メートルの五合目ということは… 計算上、14メートル地点か。
なんとも身体に優しい「五合目」、これなら高所恐怖症の私でも安心して登れます。



そして、こちらが社殿。
決して大きな社ではないものの、周囲の緑と調和した落ち着いた佇まいです。

境内はきれいに掃き清められており、地元の方々によって大切に守られていることがうかがえます。


この日は他に参拝客の姿もなく、境内は静寂に包まれていました。

鳥のさえずりと、風が木々の葉を揺らす音に包まれて。
都会の喧騒を忘れさせてくれる貴重な時間、この静かな参道(階段)をゆっくりと下っていくのも、また心地よいものです。


ウォーキングの誘惑と、現実的な選択



さて、浅間神社を後にして、いよいよ市川までのウォーキング開始!
と、意気込んでスマートウォッチ(活動量計)で歩数を確認してみると…

なんと、今日の歩数はすでに8,000歩を超えているじゃないですか。
まてよ。

これなら無理に全行程を歩かなくても、市川駅までバスで行って、そこから少し歩くだけで…
いや、いっそのこと、市川駅から下総中山駅まで電車に乗ったとしても、今日のトータル歩数は十分に1万歩を超えそうだぞ。

そんな「現実的な計算」が頭をよぎってしまうと不思議なもの。
あれほど高まっていた「歩くぞ!」というモチベーションは、一気に萎んでしまうものなんですよね。

「うーん、今日はもう十分歩いたしな…」なんて、自分に都合の良い言い訳が次々と浮かんできて。
結局、当初の計画とは裏腹に、バスと電車を乗り継いでの帰路となりました。

自分でも「ちょっと楽をしすぎたかな」と。
温さ(ぬるさ)を感じないでもないものの、まぁ1日の目標歩数である1万歩はしっかり達成できたわけですし、よしとしましょう。


おわりに



というわけで、松戸神社、戸定歴史公園、そしてタイ料理と浅間神社を巡ってと。
松戸の歴史と文化に触れることができた、充実の街歩きとなりました。

予期せぬ発見や、ちょっとした心の葛藤も。
これもまたウォーキングの楽しさの一つ。

楽しかった松戸の街、また機会を見つけて訪れたいと思います。
このシリーズ、最後までお読みいただき、ありがとうございました。




浅間神社
千葉県松戸市小山664
047-360-2261
出入り自由

2025年5月27日火曜日

【グルメ】咳が止まらなくなったけど激ウマ!松戸の隠れ家タイ料理店『ルウァンタイ』でパッタイを食す

【この記事のポイント】
・戸定邸の散策後、松戸でタイ料理ランチ!元蕎麦屋?というユニークな空間で絶品パッタイを注文。
・あまりの美味しさに夢中で食べ進めるも、謎の粒にむせて咳トラブル発生!でも味は最高でした。



戸定邸の散策を終えて、さォーキングを開始する前にまずは腹ごしらえとしましょう。

Googleマップで近隣のお店を検索してみると… おぉ。
徒歩わずか3分の距離に、タイ料理のお店があるじゃないですか。


運命? 狭き門をくぐれば、そこはタイ…と和の融合空間





「今日はエスニックなものが食べたい」、なんて思っていたところ。これはまさに、運命の巡り合わせでしょうね。

お店の入り口は間口が狭く、正直なところ一見さんは若干入りにくい雰囲気も無きにしもあらず。
でも、美味しいもののためなら、このくらいのハードルは気にせず、ガラッと引き戸を開けて店内へ。

「イラッシャイマセー。オヒトリデスカ?」

と、にこやかに出迎えてくれたのは、おそらくタイ出身の方であろう女性の店員さん。
その優しい笑顔に、ホッと一安心です。



店内を見渡すと、これがまた不思議な空間。
エスニックな装飾が施されている一方で、奥には小上がりのお座敷席。

この雰囲気、どこかで見たことがあるような…あ、そうだ。
元はお蕎麦屋さん、「居抜き」で使われているんでしょうね。
タイ料理と和風空間のミスマッチ、逆に面白い。


喉に優しく…のはずが? パッタイランチを注文



さて、メニューを拝見。
実はこの日、少し喉の調子が悪く、あまり刺激の強いものは避けたいところ。

となると、トムヤムクンやグリーンカレーはちょっと厳しいかな…
あ、パッタイがある!

タイ風焼きそば「パッタイ」なら、比較的マイルドな味付けのはず。
これなら喉への負担も少ないだろうから、よし、今日のランチはパッタイに決定。

先客は2名ほどだったものの、料理が出てくるまで時間がかかる。
厨房から聞こえてくる調理の音やスパイスの香りを楽しみつつ、ゆったりとした時間が流れて… 20分ほどかかったか。
まあ、丁寧に作ってくれている証拠と解釈しましょう。



さて、パッタイの到着。
サラダ、スープ、そしてデザートまで付いてくる、なかなか豪華なセットです。

お腹も空いたし、よし、それでは頂きます。

まずは、セットのサラダから… うん、ドレッシングが美味。
少し甘めでナンプラーか何か、エスニックな風味がほんのり香って食欲をそそる味わい。



続いてスープ、これがまた、滋味深くて美味い。
鶏ガラベースなのか、優しいながらも複雑な旨味があって、体にじんわりと染み渡るようです。

タイ料理に詳しくない私には、このスープの正確な名前は分かりません。
中に入っている野菜は冬瓜? とろけるように柔らかく煮込まれていて、スープの優しい旨味を吸って絶品。


絶品パッタイと、まさかの咳トラブル!





そして、いよいよメインのパッタイを一口。
おぉ、これは美味い。

米麺のモチモチとした食感、甘酸っぱくそしてほんのりスパイシーなタマリンドベースのソースが絶妙。
 エビはプリプリ、厚揚げは味が染みていてジューシー。

そして砕いたピーナッツの香ばしさと食感が素晴らしいアクセントになっています。
もやしやニラのシャキシャキ感も良く、複雑な調味料が織りなすまさに本場の味わい。

これは、今まで食べたパッタイの中でもトップクラスの美味しさかも。



夢中で麺を啜っていると、ふと、麺に絡まっている細かい粒々が気になったんです。
これは何だろう? 唐辛子の粉末かな? それとも、何かスパイス…?

なんて考えながら食べていたその時。
その「粒」が不意に喉の奥を直撃!

「ゴホッ! ゴッホゴホッ!!」
激しい咳が止まらなくなってしまいました…

水を飲んでもなかなか治まらず、声まで変わってしまう始末。
いやはや、これは苦しいぞ…

なんとか咳が少し落ち着いたところで、パッタイをもう一口。
不思議なもので、咳き込んだ同じ味でなぜか喉が落ち着くんですよね。

喉を痛めている時は、ほんのわずかな刺激物も禁物。
完全に不覚でした。


〆のデザートと、確かな記憶





咳トラブルはあったものの、パッタイ自体は本当に美味しかった。

そして、食後のデザートは、タピオカ入りのココナッツミルク。
濃厚ながらも優しい甘さのココナッツミルク、モチモチとしたタピオカの食感が絶妙です。

 ほんのりとした塩気が甘さを引き立てていて、スパイシーな料理の後にぴったり。
口の中をリフレッシュしてくれる爽やかなデザートでした。


おわりに



このお店のタイ料理、本当に美味い。

途中で咳が止まらなくなるというアクシデントはあったものの、それを差し引いても料理の美味しさの方が強く記憶に残る素晴らしいお店でした。

もし再び松戸を訪れる機会があれば、間違いなく再訪リストの筆頭に挙がるでしょう。
その時は、辛そうなメニューにもぜひ挑戦してみたいものです。

美味しいランチに感謝、 ご馳走さまでした。






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2025年5月26日月曜日

【観光】徳川慶喜の弟・昭武が愛した松戸の至宝「戸定邸」– 明治の薫りと歴史ロマンに浸る

【この記事のポイント】
・松戸の戸定が丘歴史公園、徳川慶喜の弟・昭武が余生を過ごした国重文「戸定邸」を見学。明治期の面影を残す純和風建築と美しい庭園、そして歴史館でその生涯と松戸の歴史に触れました。



さて、いよいよ今回の松戸訪問の主目的、「戸定が丘歴史公園(とじょうがおかれきしこうえん)」へと足を踏み入れます

この「戸定(とじょう)」という地名、実は「外城(とじろ)」に由来するそう。
かつてこの地にあった松戸城の外郭(そとぐるわ)に位置していたことから、そう呼ばれるようになったとか。

そしてこの公園内には、幕末から明治にかけての激動の時代を生きた、ある「江戸幕府方の大物」が余生を過ごした邸宅が当時の面影を残したまま建っているんです。


維新の嵐を越えて – 徳川昭武と戸定邸



その「江戸幕府方の大物」とは、徳川昭武(とくがわ あきたけ)。
水戸藩第9代藩主・徳川斉昭(なりあき)の十八男として生まれ、江戸幕府最後の将軍である徳川慶喜の実弟にあたる人物です。

若くしてパリ万国博覧会(1867年)に将軍の名代として派遣され、ヨーロッパ各地を歴訪。
その滞在中に大政奉還、そして戊辰戦争へと、時代は大きく動きます。

帰国後は明治新政府の下で水戸藩最後の藩主を務め、軍人としての道を歩んだものの若くして引退。
明治17年(1884年)にこの松戸の地に戸定邸を構え、趣味や研究に没頭しながら穏やかな余生を送ったとされています。

時代の転換期を数奇な運命と共に生きた人物、まさにそう言えるでしょう。


戸定邸の敷地は、現在「戸定が丘歴史公園」として整備されており、その広さは約2.3ヘクタールにも及びます。

国の重要文化財に指定されている戸定邸の建物群を中心に、美しい庭園、そして徳川昭武や松戸の歴史に関する資料を展示する戸定歴史館などが点在。
かつては富士山や江戸川、さらには遠く筑波山まで見渡せたという高台に位置し、風光明媚な場所であったことが偲ばれます。


歴史を学ぶ – 戸定歴史館(撮影禁止)



まずは公園内にある「戸定歴史館」から見学することに。

残念ながら館内は撮影禁止、外観の写真のみ。
近代的な建物の中には、徳川昭武ゆかりの品々や、彼がヨーロッパから持ち帰ったとされる調度品、写真資料などが展示されていました。

彼が撮影したとされる当時の写真や、留学中に集めた品々からは、新しい時代への関心の高さがうかがえるなと。


明治の佇まいを今に伝える – 国重文・戸定邸へ



戸定歴史館を見学した後は、戸定邸の見学です。

戸定邸は徳川昭武の私邸。
純和風の木造建築ながらも、ところどころに洋風の要素も取り入れられた、いわゆる「擬洋風建築」に近い雰囲気です。

この日は幸運なことに、通常は立ち入りが制限されている庭園の一部にも降りられるとのこと。
入館券は歴史館と戸定邸の共通券が320円、戸定邸のみだと250円とわずか70円の差なので、両方見学できる共通券を購入するのが断然お得ですね。(ちなみに歴史館単独は150円でした)


表座敷は、来客をもてなすための空間。
床の間や違い棚、欄間(らんま)の意匠など、細部に至るまで丁寧な仕事が施されており、当時の職人技の高さをうかがい知ることができます。

縁側からは、手入れの行き届いた美しい庭園を一望でき、まさに贅沢な空間なんです。




戸定邸の建物は、いくつかの棟が渡り廊下で結ばれた複雑ながらも機能的な構造になっています。

和風の建築は、周囲の緑と見事に調和。
派手さはないものの、質実剛健でありながらも品格を感じさせる佇まい、昭武の人柄を反映しているかのようです。

使われている木材も良質で、長年の風雪に耐えてきた歴史の重みを感じさせます。


こちらは湯殿(ゆどの)、つまりお風呂場。
タイル張りの床や湯桶(ゆおけ)など、当時の暮らしぶりが偲ばれます。

ガラス窓からは明るい光が差し込み、清潔感のある空間。
ここで昭武も日々の疲れを癒したんでしょうかね。


次は離座敷棟。
表座敷とは渡り廊下で繋がっており、よりプライベートな空間として使われていたようです。

落ち着いた数寄屋風の造り。
静かに読書をしたり、物思いにふけったりするのに最適な空間だったのではないでしょうか。

敷地内には、立派な土蔵(内蔵)も残されています。

厚い壁は防火・防湿に優れており、貴重品などを保管するのに使われていたんだなと。
この内蔵も、当時の姿をよく留めており、歴史的価値の高さを感じさせます。


おわりに


広大で風格のあるお屋敷と、手入れの行き届いた美しい庭園。
この戸定邸を、わずか250円(共通券なら実質もっとお得)で見学できるというのは、本当に貴重な体験です。

幕末から明治という激動の時代を生きた徳川昭武、何を思いこの地で過ごしたのか…
そんな歴史のロマンに浸りながら、穏やかな時間を過ごすことができるんですよね。

松戸に来た甲斐があったな、と心から思える素晴らしい場所でした。




戸定が丘歴史公園
千葉県松戸市松戸714-1
047-362-2050
営業時間 9:00〜17:00
定休日 月曜日

2025年5月25日日曜日

【散歩】松戸神社の亀に願いを?そして常磐線の向こうに眠る、忘れられた維新の志士の魂

【この記事のポイント】
・「近くて遠い町」松戸へ!戸定歴史館訪問前に、駅近くの松戸神社とその周辺を歴史散歩。龍の伝説が残る橋や徳川慶喜ゆかりの地、そして幕末の志士・竹内啓の墓など、知られざる歴史に触れました。



とある休日。

今日は以前から少し気になっていた、千葉県松戸市にある「戸定歴史館(とじょうれきしかん)」へ行ってみようかなと。

自宅から歩いて行けない距離でもないものの… いや、待てよ。

まずは電車で現地まで行き、しっかり見学してから帰りに体力があればウォーキングを楽しむ。
そんなプランの方が効率的、よし、今回はその作戦でいこう。

松戸市は私が住む市川市とは隣接、でも電車で行こうとすると、これが意外と乗り換えが多いんです。

- 下総中山駅(JR総武線)→ 西船橋駅
- 西船橋駅(JR武蔵野線)→ 新松戸駅
- 新松戸駅(JR常磐線)→ 松戸駅

この煩雑さもあって、今までちゃんと訪れたことがほとんどなかったというのが正直なところ。
今回は、そんな「近くて遠い町」松戸の歴史に触れる、良い機会になりそうです。


久々の松戸駅と、宿場町の面影





というわけで、JR松戸駅に到着、この駅に降り立つのは本当に数えるほど。
2階建て構造の駅前は、記憶の中の姿とあまり変わっていないような気がします。


戸定歴史館へ向かう前に、まずは駅近くの観光スポット「松戸神社」へ立ち寄ることに。

この松戸神社、江戸時代には水戸街道の宿場町として栄えた松戸宿の中心部にあったもの。
かつての本陣跡(大名などが宿泊した施設)のすぐ近くに鎮座しており、歴史を感じさせる佇まい。


参道の違和感と、龍の伝説が潜む橋




かつての水戸街道は、現在のJR線路側ではなくこの松戸神社の西側を通っていたんです。
なので松戸神社の大鳥居はJR駅から遠い方にあり、駅側からのアプローチの際は違和感を覚えるかもしれません。


その大鳥居と社殿の間には、穏やかに流れる「坂川(さかがわ)」。そしてこの川に架かるのが「潜龍橋(せんりゅうばし)」です。

この橋の名前には、「龍が潜む」という何とも曰くありげな謂れがあるそう。

かつて坂川は暴れ川で、洪水を繰り返していたらしい。
その水害を鎮めるために龍神を祀り、橋にその名を冠したのかもしれず。
龍は水の神であり、豊穣や治水の象徴でもあるので、この地に龍の伝説が残るのも自然なことなのでしょう。


松戸神社の歴史と、ユニークな見どころ




潜龍橋を渡り、いよいよ社殿へ。

松戸神社の創建は寛永3年(1626年)、御祭神は日本武尊(やまとたけるのみこと)。
古くからこの地域の総鎮守として、人々の信仰を集めてだそう。

水戸徳川家の崇敬も篤く、歴代藩主が参拝に訪れた記録も残っているんだとか。
現在の社殿は明治時代に再建されたもの、それでも歴史の重みを感じさせます。



境内を散策していると、ん、これは… 亀。

松戸神社には、「百度も亀の子(ひゃくど も かめのこ)」と呼ばれる願掛けの風習があるんだとか。
社務所で亀の子(小さな亀の置物)を授かり、それを持ちながら百度参りをし、最後にその亀の子を納めることで願いが成就する。

この像は、その風習にちなんだものなのでしょう。
亀は長寿や幸運の象徴、可愛らしい姿に心が和みます。


こちらは「御神水」。

松戸神社の境内には古くから湧き出る泉があり、この水は「万病に効く霊泉」として信仰されてきたそうです。
現在も飲むことができ、多くの人がこの水を汲みに訪れるとか。


松戸神社を出て坂川沿いを歩くと、「あなたも慶喜公気分」と書かれた説明板。

徳川慶喜が明治時代になってからここを訪れて、自ら写真を撮ったんだそう。
その写真も展示されていましたけど、ビルのない坂川は長閑でいいものでした。


常磐線を越えて、維新の志士の墓へ




戸定歴史館へ向かう途中、JR常磐線を跨ぐ大きな歩道橋を渡ります。

常磐線は明治29年(1896年)に田端~土浦間が開通したのが始まり。
その後延伸を重ね、現在は東京と東北地方を結ぶ重要な幹線となっています。

眼下を行き交う電車を眺めていると、鉄道が日本の近代化に果たした役割の大きさを改めて感じます。


歩道橋を渡った先、ひっそりと佇むお墓。
「維新の志士 従五位 竹内啓(たけうち けい)先生之墓」と刻まれています。

この竹内啓という人物について調べてみると、幕末の勤王派志士。
1867年に栃木県栃木市出流町で挙兵、幕府軍に負けて古河で捕らえられたんだそう。

武蔵国羽生陣屋に護送する途中、江戸の混乱に乗じて竹内啓を奪還する動きがあるかもしれない。
また、出流の乱を鎮圧した幕府方の関東取締出役の屋敷が襲われたという知らせもあり、報復のため竹内啓は初k制されたんだそうです。

こんな事件があったとは、これまで全く知らずでした。


おわりに



さて、松戸神社とその周辺を巡って、いよいよ目的地の戸定歴史館が近づいてきました。
松戸という町にあまり馴染みがありませんでしたが、少し歩いてみるだけでも、様々な歴史の痕跡や興味深いスポットに出会えるものです。

さてと、明日の記事では、戸定歴史館についてご紹介したいと思いますので、どうぞお楽しみに。




松戸神社
千葉県松戸市松戸1457
047-362-3544
出入り自由

2025年5月24日土曜日

【グルメ】初夏の味覚「あゆ飯」!骨までホロホロ、高菜ご飯との相性抜群なのはさすが角上魚類!

【この記事のポイント】
・ウォーキングで船橋『角上魚類』へ!初体験の「あゆ飯」は、骨まで丸ごと食べられる驚きの美味しさ。高菜ご飯や天ぷらとのハーモニーも絶妙!定番の押し寿司や激安ホタルイカと共にご紹介します。



とある休日。
「さて、今日のランチは何にしようか…?」と考えた時、真っ先に頭に浮かんだのは、やはりあのお店。
そう、船橋の『角上魚類』です。

安くて美味しい魚介が手に入るのはもちろん、自宅からだとちょうど10,000歩くらいのウォーキングになるというまさに一石二鳥。
ついつい、足が向いてしまうんですよね。


今日の発見! 骨まで食べられる「あゆ飯」


いつものように、活気あふれる店内を物色。
お寿司、お刺身、海鮮丼… 目移りする品揃えの中、ふと見慣れないパッケージ。

おぉ「あゆ飯」…
そういえば、鮎はしばらく食べていなかったなぁ。
初夏の訪れを感じさせる魚ですよね。

『角上魚類』がこの鮎をどう料理しているのか、非常に興味が湧いてきました。
お値段も680円と手頃、よし、今日のランチはこれに決定。

家に持ち帰り、早速パッケージを開けてみると… おぉ、これは立派。

ご飯の上に対角線状に横たわる鮎、目測で20cm近くありそうな堂々たるサイズ。
しかもこの鮎、なんと特殊な加工が施されていて、頭から尻尾、そして骨まで丸ごと全部食べられるんだそうです。

そして、鮎だけでなく、脇を固める天ぷらも充実。
サツマイモ、ピーマン、大葉、そして彩り鮮やかな紅生姜の天ぷら。
これは見た目も華やかで、食欲をそそりますね。

よし、それでは頂きましょう。


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実食! 鮎の風味と、ご飯、天ぷらのハーモニー




まずは、主役の鮎から。

「骨まで食べられる」とは言ってもどの程度のものだろうと、お箸で胴の真ん中あたりをそっと押してみると…
本当にサクッと、まるで柔らかい煮魚のように簡単に切れます。

骨がここまで柔らかくなるというのは、やはり圧力鍋などでじっくりと時間をかけて調理されているのか。

鮎を一口。
うん、これは美味い!

鮎特有の爽やかでほんのりとした苦味、そして清流を思わせる独特の香りが、口の中にふわっと広がります。
骨まで食べられるというだけあって、身は驚くほど柔らかく、それでいてパサつきは一切なし。

しっとりとしていて、噛むほどに鮎本来の旨味がじわじわと滲み出てくる感じだなと。
甘辛いタレが程よく染みていて、これがまた鮎の風味を引き立てています。
頭の部分には苦味があるものの、香ばしくて全く抵抗なくいただけました。



鮎の下に敷かれたご飯はただの白飯ではなく、ほんのり味のついた茶飯。
そして、よく見ると細かく刻まれた高菜が混ぜ込まれています。

この高菜の塩味と風味が、鮎の味わいと実によく合う。
さっぱりとした後味で、どんどん箸が進みます。

添えられた天ぷらも、それぞれが良いアクセント。
サツマイモの自然な甘み、ピーマンのほのかな苦味、大葉の爽やかな香り。

個人的に特にヒットだったのは、紅生姜の天ぷら。
ピリッとした辛味と酸味が、鮎の風味と茶飯の味わいに絶妙にマッチ、口の中をリフレッシュしてくれます。

いやはや『角上魚類』の「あゆ飯」、期待以上の美味しさと満足感でした。

骨まで丸ごと食べられる鮎というのは初体験でしたが、その食べやすさと味わい深さに感動。
これが680円で楽しめるなんて、本当に素晴らしい。充実したランチタイムに感謝です。


ついでに紹介! 角上のおすすめ定番品




さて、せっかくなので、この日「あゆ飯」と一緒に購入して、夕ご飯のサイドメニューとして楽しんだ「佐渡サーモン押し寿司」についてもご紹介。
角上魚類に行くと、ついついお寿司コーナーもチェックしてしまいますね。

この佐渡サーモンの押し寿司、脂がしっかり乗っていて口に入れるととろけるような舌触り。
サーモン特有の濃厚な旨味と甘みが、酢飯の程よい酸味と見事に調和しています。

一切れが肉厚で食べ応えがあり、満足度の高い一品。
これもまた角上の人気商品の一つなんだろうなと。



私が『角上魚類』で見かけたら、ほぼ間違いなく買ってしまうのが、この「ホタルイカの醤油漬け」。
たっぷり入ったパック(15匹くらいかな?)、なんとお値段192円というもはや価格破壊レベルの激安ぶりなんですよね。

このプリプリのホタルイカ、アツアツのご飯に乗せて食べるのはもちろん最高。
そして、ちびちびとつまみながら日本酒をいただくのも、また至福のひととき。
濃厚なワタの旨味がたまりませんね。


おわりに


今回も美味しい魚介を手頃な価格で提供してくれた『角上魚類』に大感謝。
特に初体験の「あゆ飯」は、骨まで食べられるという驚きと、その美味しさに感動でした。

これからも、ウォーキングの目的地として、そして美味しい発見を求めて通い続けたいと思います。
いやぁ美味しかった、ご馳走さまでした。




【おまけのワンポイント】
・この鮎は卵入り。なので濃厚で美味しかったんです。一方、卵が入っていないものの方が鮎本来の美味しさを感じられるので、もし選べるのであればぜひ食べてみたいなと。