・スマートフォン時代で縦撮りが増えているけど、縦型映画のコンテストまであるとは驚き、過去のグランプリ作品を観ると、意外に違和感はないことにもまた驚いた
最近、スマホの動画で「TikTok TOHO Film Festival 2024」というのが流れてくるんです。
「私らしい映画のカタチへ」、女性のポーズは縦構図の切り取り、そう、縦型映画のコンテスト。
(TikTokニュースルームより借用)
スマホ時代になって縦撮りが増えたというのは改めて言うまでもないですけど、長年写真を撮ってきた私には難易度が高そうだということが気になったんですよね。
写真でも縦構図はたまに使用、撮りたいものが縦位置にある時はまぁ当然として、あとは被写体を強調したり、奥行きを表現したい時のみに限定。
そんなカットばかりが連続している映画だと、観ている側は疲れてしまうと思うんです。
どんな作品になるんだろうか。
サイトに過去のグランプリ作品があったので観てみました。
・2021 『トラベルノート』 吉川啓太
・2022 『僕の妹は螺旋階段が大好きだ。』 山口景伍
・2023 『反復横跳び少女』 宮田和弥
なるほどねぇ、どの作品も時間は短かめ。
『トラベルノート』は登場人物を一人ずつ撮るアングルのみ。
『僕の妹は螺旋階段が大好きだ。』は舞台を螺旋階段という縦長の構造物にすることで、縦撮りを自然なものに仕上げています。
『反復横跳び少女』は、横跳びという縦撮りには向かない動きを題材に。
フレームから足の一部が外れるものの、これがかえってダイナミズムに繋がっているんだなと。
そもそも写真や映像の標準が横撮りになっているのは何故か、それは重力が存在するから。
遠景は横に広がり、地表の被写体は横に動くもの、なので一般的なカメラは横撮り。
なので映画のスクリーンもテレビも、横向き映像を再現することを前提にした構造になっているというわけです。
スマホの登場で縦に画面を見る機会が増え、テレビやスクリーンよりも馴染みがある若い世代は縦映像に親しみを感じるもの。
ニュースで取り上げられる視聴者提供映像も縦撮りが多く、これからの時代は縦撮りが主流になるのか …いや、ならないんでしょうね。
なぜなら、人間の視野は以下のようになっているから。
横:鼻側に60°・耳側に100°
縦:上に60°、下に70°
アスペクト比にすると3:2になるとのことで、横画像が合っているというわけです。
とはいえ、短い映画であれば縦もあり。
そんな投げかけをしてくれているのが、「TikTok TOHO Film Festival 2024」なんだろうと解釈です。
作品募集は10/29(火)23:59まで、今年はどんな作品がグランプリになるのか、ちょっと楽しみですね。
【おまけのワンポイント】
・3つのグランプリ作品を観て感じたのは、パニング(カメラを軸に左右に振る動き)がほとんどないこと。縦動画で使ってしまうと動きが煩雑になるからでしょう。『反復横跳び少女』ではズームを上手く使って奥行きを表現、これは横動画よりも効果的なのかもしれません。
0 件のコメント:
コメントを投稿