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2024年11月12日火曜日

【旅行】奈良の老舗『古梅園』でにぎり墨体験!墨造りの奥深さを学ぶ

【この記事のポイント】
・古都奈良の老舗『古梅園』、墨作りの工程を学ぶ
・普段は全く縁のない墨ではあるものの、日本の伝統美に触れる貴重な機会だったなと



今回の奈良、メインの一つが『古梅園』でのにぎり墨体験。

小学生の時から墨を見てすらいない私、旅行先でも写真を撮るばかりで体験モノはやらないのが常。
にぎり墨は書を学んでいる義妹からの提案で、せっかくの機会なので乗ってみたというわけです。

『古梅園』というのはその筋では有名なお店のようで、創業はなんと1577年。

織田信長が天下布武を掲げて奮闘していた時代、奈良では織田信長に謀反した松永久秀が信貴山城で自爆死するなんていう事件もあった年。
そんな古くから墨を製造・販売しているお店が残っているというのが凄い。

店内には墨が数多く並んでいるものの、全く知識のない私が気になるとすれば値段くらい。
数万円はザラ、中には10万円を超えるものもあったりするんです。

にぎり墨体験を待つ間、お店のスタッフが丁寧に解説をしてくれたのが好印象でした。

さて、いよいよ体験の始まり。

ガイド頂いたのは女性スタッフでしたけど、早口で効率よく、素人にもわかりやすく解説して頂けたのはありがたかったなと。
冒頭で、まずはお礼を申し上げておきます。

以下、お聞きしたお話を記憶している範囲でご紹介しますけど、メモをとっていたわけでは無いので一部怪しいかも。

- 建物の奥行きがかなりあるのは、かつての間口の広さで税が決まっていたという時代の名残。
- 廊下の線路は小型のトロッコ。重量物を運ぶために設置されているもので、今日でも稼働できる。

そもそも墨って何でできているのか、私はそんなことすら知らずでした。

- 植物性油を土器に入れ、藺草の芯に火をともして覆いに煤をつける。この煤を採取したものが墨の原料の一つ。
- 土器は200個、これを一人の職人さんがみている。煤の付き方が偏らないように土器を回す必要があり、火加減や油の量にも気を使う細やかな作業。

なるほど、幻想的で美しいけど、ここを仕事場としている職人さんは大変。
夏の暑さは堪えるでしょうね。

- 暗くて見えないけど煤は部屋の中を飛んでいるので、白い服だと付着して目立つので要注意。ただ、外に出て拂えばすぐに落ちる。

今日は黒い服を着ていたので、私は全く心配なし。



- 見えないけど煤は浮遊しているので、地面も黒くなる。ただ植物にはいいものののようで、庭木の生育がいい。

確かに、木が大きいのは見て取れます。

- 職人さんの健康にもいいようで、皆さん肌がすべすべして長生き。

石炭は肺を傷めるので、同じスミでも大きな違いがあるのに驚きです。

膠(にかわ)ってご存知でしょうかね。
動物の骨・皮・腱などを水で煮溶かして凝固させたもの。
要はコラーゲンで、これで煤を固めたものが墨になるというわけです。

70℃の湯煎でゆっくりと溶かした膠、これに煤を混ぜ合わせる。
膠の動物臭を消すために香料を入れているので、墨独特のあの匂いになるんだとそうです。

長くなってきたので、今日の記事はここで一旦お終いにしてと。
明日はにぎり墨体験の続きを書きますので、どうぞお楽しみに。




【おまけのワンポイント】
・墨のオリジンは中国、日本に入ってきたのは610年のことで、高句麗の僧が伝えたといわれているんだそう。当初は朝廷や寺院でつくられていたものが徐々に民間に流れ、戦国時代に創業されたのが古梅園だったとのことです。

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