バスで到着した今治埠頭から徒歩15分ほど、遠目にも目立つ今治城までは、迷うこともまずないでしょう。
全貌が見えると、これは美しい城だな。
美しさの要因は、まずは堀の広さ。
幅は50~70mもあるそうで、海水を引き込んでこの水量を賄っているとのことです。
長い直線で構成された石垣、これもまたその要因。
築城を簡素にするための工夫だったらしいですけど、シンプルさに近代的な力強さを感じますね。
鉄御門から城内に、うわっ、デッカい石だな。
勘兵衛石と呼ばれるもので、16tもの重量があるそう。
近辺にいた地元の方らしきご老人が語るには、大きな石は城主の威信の現れとのこと。
攻め込んできた敵が、これほどの大石を運ばせた城主はさぞや力のある人に違いないと、ビビる効果を狙っているんだそうです。
その城主は誰だったか、馬上の人物は藤堂高虎。
主家をコロコロと変える「寝返り武将」のイメージが強いですけど、浅井長政軍の足軽から津藩32万石の大大名に出世した人物。
今治城の他にもいくつもの名城を築いているので、城作りの名手であったことは間違いないようです。
ついでに勘兵衛石は、渡辺勘兵衛の名からとったもの。
様々な武将の下で活躍した人物で、藤堂高虎には2万石もの高禄で召し抱えられたものの大阪の陣で関係が決裂、その後の仕官は叶わなかったそうです。
天守博物館の展示は、藤堂家やその後の久松松平家の刀剣・甲冑、かつての今治城の広大な縄張りなどなど、想像以上に充実。
日本三大水城の一つと言われる姿は想像以上でした。
天守最上階からの眺め、遠くまでよく見渡せますね。
大島はもちろん、先ほどバスで渡った来島海峡大橋まで、いやぁ絶景かな。
今治城の魅力は、天守だけでなく櫓にも。
特に、先ほどの鉄御門の上に立つ多聞櫓が素晴らしいんです。
中は昔の造りが忠実に再現されており、天井板も張っていないので、釘を使わない見事な木造建築をじっくり見ることができるんです。
しかも広さも半端なく、居住性も確保されていたことを実感できます。
所々、兵士の実物大パネルが置いてあり、戦闘用設備の使い方がわかりやすい。
藤堂高虎の城は石垣が高いので、こんなところから落とされた石が直撃したらたまったものじゃないでしょうね。
いやぁ、面白かった。
想定以上に時間を要して、おかげで道後温泉に入る時間がなくなったかな。
でも、この今治城は時間をかけてでも見どころたっぷり。
温泉には変えられない価値がありましたよ。
今治城
0898-31-9233
愛媛県今治市通町3-1-3
開館時間 9:00~17:00
休館日 年末
本丸・櫓入場料 520円/大人1名
【緊急事態宣言で不要不急の外出を控えるようにという要請が出ていますが、この記事は宣言前の旅について書いたものです】
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