・新橋の『奈良まほろば館』開店までの時間、日本初の鉄道駅『旧新橋停車場跡』へ寄り道。忠実に再現された駅舎や発掘遺構、鉄道史展示を無料で見学。近代日本の出発点に触れた体験をレポートします。
烏森神社での参拝を終え、次なる目的地は「奈良まほろば館」…
なんですけど… お店がオープンする午前11時まで、まだ少し時間があるなと。
近辺で開店までの時間を潰せる場所はと。
そう考えた時、ふと頭に浮かんだのが『旧新橋停車場跡』。
以前から存在は知っていたものの、じっくり訪れたことはなかったんです。
再現された歴史的建造物
『旧新橋停車場跡』は、新橋駅から少し歩いた汐留シオサイトの一角。
まるでタイムスリップしたかのように佇む重厚な石造りの駅舎です。
1872年(明治5年)に開業した日本初の鉄道駅新橋停車場。
当時の資料に基づいて、これを忠実に再現したものだそう。
石積みの装飾が施され、明治初期の西洋建築らしい重厚な造りですね。
位置や外観も、当時の場所に忠実に再現されているとのこと。
日本の近代化の出発点とも言える場所です。
駅舎の脇には、当時のプラットホームの一部も再現されています。
線路こそないものの、ここで人々が列車を待ち、日本の近代化を乗せた列車が出発していったのか、なんて想像すると歴史の重みを感じますね。
新橋停車場は、1914年(大正3年)に東京駅が開業した際に旅客ターミナルとしての役割を終え、その後は貨物専用駅となって「汐留駅」と改称。
そして旧駅舎は1923年(大正12年)の関東大震災で焼失。
残ったプラットホームなども、1934年(昭和9年)の汐留駅改良工事のために解体されてしまったんだそうです。
その後、汐留駅も1986年(昭和61年)に使命を終えて廃止。
跡地の再開発工事が始まった1991年(平成3年)に調査が行われ、当時の駅舎の基礎などの遺構が発掘されたとのことです。
知られざる鉄道歴史展示室
再現された駅舎の内部は、「旧新橋停車場 鉄道歴史展示室」として公開されています。
館内は伊藤園の「お茶の文化創造博物館」と共用になっています。
そのため、「鉄道歴史展示室」は建物の隅っこにひっそりと存在している印象。
初めて訪れる人は、少し迷ってしまうかもしれません。(私も迷いました)
ここには、新橋停車場が果たした歴史的な役割や、その後の変遷について詳しく解説されています。
日本初の鉄道の起点として、近代日本の発展にいかに貢献したか。
歴史好きとしては、こうした解説をじっくり読むだけでも、その場所の持つ意味に感動を覚えます。
展示室には、当時の新橋停車場駅舎全体の模型も展示されていました。
この場所は、かつての銀座通りの南端。
1872年当時、周囲にこれほど大規模で西洋的な建築物は少なかったはずなので、この駅舎はさぞや華やかで洒落た建物に見えたことでしょう。
遺構見学と企画展
展示室の床の一部には、ガラス張りの見学窓が設けられています。
発掘された当時の駅舎の基礎石積み。
歴史的な遺構を直接目にできる貴重な展示ですけど、ガラス越しに下が見える造りは、高所恐怖症の私には少々怖い。
さらに2階では、企画展示「日本海縦貫線100年展」が開催されていました。
日本海縦貫線とは、本州の日本海側を通り、青森から新潟、富山、金沢、京都などを経て大阪を結ぶ長大な鉄道路線。
昨年末から今年1月、その全線開通100周年を記念した企画展が鉄博で開催されていたようで、その一部をこちらでも展示しているんだと思います。
日本の鉄道史における重要な路線の一つ、各地の発展に貢献してきた歴史の解説。
鉄道ファン(いわゆる鉄オタ)にはたまらないであろう、詳細な資料や写真・模型などが展示されています。
私は鉄オタではないものの、それでも十分に楽しむことができました。
日本海側の各都市が、鉄道路線によってどのように結ばれ、発展していったのか。
物流や人流の変化を知るのは面白いものです。
最後に
新橋での時間潰しとして立ち寄った『旧新橋停車場 鉄道歴史展示室』。
日本初の鉄道駅という歴史的な場所であり、再現された美しい駅舎、発掘された遺構、そして鉄道史に関する企画展と、期待以上に充実した見学でした。
さて、『奈良まほろば館』もオープンしている時間かな。
そろそろ移動しようというところで、続きはまた明日。
旧新橋停車場 鉄道歴史展示室
東京都港区東新橋1-5-3
03-3572-1872
営業時間 10:00〜17:00
休館日 月曜日、年末年始
入場料 無料
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