来宮神社から熱海の街に向かって、半端ない急坂を下っていきます。
アスファルトながらも、もしかして雨で滑るんじゃないかと思うような坂、これを登るのは相当にキツいだろうなぁ。
結局は熱海駅近くで坂に匹敵する階段を昇ることになって、ヒイヒイ言うんですけどね。
この時はまだそんなことも露知らず、平和に歩いていた訳です。
観たかったのは、湯前神社。
熱海の源泉大湯を祀った社で、創建は749年というから長い歴史。
この石鳥居は、1780年に時の久留米藩主から贈られたものなんだとか。
江戸時代には栄えていたことが窺い知れますね。
ん? これは手水?
古代がかった風態の夫婦…あ、お母さんの手には赤ちゃんがいるぞ。
これも温泉らしいですけど、行った時はお湯(水?)は流れておらずでした。
本堂は質実剛健。
明治時代に焼失、再建中に資金難となり、熱海で湯治していた実業家が援助をしてできたものなんだとか。
ここにも大楠、来宮神社に比べればまだ若い木ではあるものの、幹回り⒎2mは立派です。
幹の一部が焼損しているというのは、本堂の火事に因るものなんだろうか。
湯前神社のすぐ横には日航亭、日帰り温泉ですけど、広い半露天風呂がいいらしいですよ。
雨で服も少々濡れているなか、魅力的ではありましたけど、帰りのことを考えて少し急がなくては。
そして近接したもう一つの観光地は、大湯間歇泉、これが源泉なのか。
間歇泉ってことは、水蒸気が噴き出してくるのかな。
案内板には外国人の名前、簡単にまとめると。
・幕末の駐日英国公使オールコック、富士山からの帰りに熱海に立ち寄った。
・その際、この間歇泉で愛犬トピーが大火傷、町民は必死に介護したがトピーは死亡した
・丁寧に弔った地元の人々にオールコックは感謝、本国に「日本人を敵視すべきではない。誠に親切な国民である。」と報告した。
・生麦事件や英国公使館襲撃事件等で日本人への印象が悪化していたが、これにより英国世論が親日に傾いた。
なるほど、時は幕末で相手は外国人でしょ。
もし犬が死んだら、怒り狂って温泉ぶっ壊したり、村長は打首なんていう暴挙に出ることを恐れたので、村民は必死に手当てをしたんじゃないか。
オールコックがそんな狭量な人でなくてよかった…
ん? ちょっと待てよ。
ってことは、大火傷を負うような熱湯がここから噴き出してくるおそれがあるということ?
何だかシューッというような音がしてきたけど…
うわ、湯気が出てきたぞ!
過度に近付かなければ大丈夫なんだろうけど、相手は自然、何が起こるかわからないぞ…
と、暫くすると湯気は収束。
同時に止まった音は、あれ、モーター音?
熱湯が噴き出すのはとっくの昔に途絶えたそうで、今日では観光用に人工噴出しているんだとか。
な〜んだ、ビビって損したな。
最後におまけ。
ここは市外電話発祥の地だそうで、政治家や政府高官が東京と通話するため明治22年に電話が設置されたんだとか。
保養や会談に活用されていた熱海、当時はこの場所に人が集まりやすかった証拠ですね。
日航亭、湯前神社、大湯間歇泉と3つセットでの観光、面白いと思いますよ。
湯前神社
熱海市上宿町4−12
0557-81-2324(熱海温泉組合)
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