【この記事のポイント】
・お土産にいただいたシラスの沖漬けを冷凍庫からサルベージ、漁師発祥の合理的かつ残酷(?)な調理法「沖漬け」の魅力
・冷奴に乗せるだけで完成する、日本酒が無限に進む極上のアテ
残酷さの裏にある極上の旨味
突然ですけど、「沖漬け」という言葉には魅力ありますよね。
ホタルイカの沖漬けを筆頭に、ヤリイカやスルメイカなんかもたまらなく美味。
酒呑みだったら、そそられない人はいないだろうという逸品です。
ただ、作り方がかなり残酷なのはご存知かどうか。
釣ったばかりのイカを生きたまま醤油や酒、みりんを合わせた特製のタレに投入。
生きながらにして自らタレをグイグイと飲み込むことで、体の内側までしっかりと味が染み渡る。
鮮度を保ったまま一気に漬け込む、漁師発祥の合理的かつ豪快な調理法です。
生きたままタレに漬け込まれるというのは、人間に置き換えると「ファラリスの雄牛」みたいなものかな。
「ファラリスの雄牛」というのは…いや。
それはそれは残酷、語るのも嫌なほどのものなので、ここではこれ以上書くのをやめておきましょう。
お土産でいただいたシラスの沖漬け
前置きが長くなりましたけど、今回食べたのはシラスの沖漬け。
妻の妹夫妻が5月に来た時、持ってきてくれたものなんです。
あの時は釜揚げのひじきやシラスを優先、沖漬けは冷凍に。
醤油漬けなので日持ちはいいんですけど、そろそろ限界かなと解凍してみたという次第です。
見てくださいよ、この見事な漬かり具合。
残酷だとか、語るのも嫌だとか言っていたのはどこへやら。
珍しい食材を眼の前にして、脳は完全に人類の歴史から遠ざかってしまったようです。
冷奴との最高のマリアージュ
そのままペロッと酒のアテにするのもいいけど、そうだ、これは豆腐に合うんじゃないだろうか。
冷奴の上に、解凍したシラスの沖漬けをドサッと乗せるだけ。
味付けは沖漬けの醤油ダレだけで十分です。
口に運ぶと、ひんやりとした豆腐の甘みに、シラスのまろやかなコクと醤油ダレの深い塩気がマッチ。
釜揚げシラスのようなフワフワ感とは違い、生シラス独特のツルッとした舌触りと、プチプチとした程よい歯ごたえがいいんです。
噛むたびにシラス自身の旨味がタレと溶け合い、豆腐が最高の引き立て役に。
お好みで薬味の刻みネギや、おろし生姜を少し添えてもいいかも。
とはいえ、濃厚な沖漬けのタレを豆腐が優しく受け止めてくれるので、くどさを感じず、無限に箸が進んでしまう危ない肴です。
日本酒をチビチビとやりながらこれをつまむ時間は、まさに至福の一言。
シンプル極まりない料理ではあるものの、どんな手の込んだ冷奴アレンジよりも完璧な味わいなんですよね。
いや〜、シラスの沖漬けがこんなに美味しいものだったとは。
素晴らしいお土産に感謝、ご馳走さまでした。
【おまけのワンポイント】
生シラス(沖漬け)を自宅で解凍する際は、冷蔵庫でゆっくり時間をかけるか、袋ごと氷水につけて急速解凍するのがコツ。
常温やレンジで急激に温めて解凍すると、旨味を含んだ水分(ドリップ)が流れ出てしまい、生シラス特有のツルッとした食感やハリが失われて生臭さの原因になります。食べる直前に「冷たい状態」で一気に溶かすのが、美味しさを引き出す秘訣ですね。



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