そんな気持ちは誰でも一緒、こういう時こそ神田の行列店でも空いているはずだろうと。
そうだ、鎌倉橋の人気店、『かつ進』は空いていないだろうか。
お店に到着すると、お、まだカウンター席も空いているじゃないか。
よし、今日は久々にここに入ってみよう。
前回来たのは2年半前、随分とお久しぶり。
店内に入ると、あ、眼鏡が曇ってしまった。
カウンターに座り、メニューが... よく見えないぞ...
とりあえず、トップに書いてあった「とんかつ定食」950円を注文してと。
眼鏡の曇りが取れて来たころ、そうだ、日替り定食もお得だったっけ。
でもまぁ一度は看板のメニューを食べておくのもいいだろうと変更はせず。
店の奥の方からは、カラカラ、チュルチュルというゆっくりととんかつを揚げる音。
あれが自分のとんかつなのかな、楽しみだな。
そんな感じで、幸せな数分間が過ぎていきます。
とんかつが揚がる直前、絶妙なタイミングで味噌汁とご飯が運ばれてくるというのもこのお店の特徴。
決して先にご飯&味噌汁のみを食べさせることはない。
こんな心配りも、このお店の人気を支える大きな要素だというのが伝わってくるんですよね。
すぐに運ばれてきたとんかつにもキャベツにも、ソースをたっぷりとかけておきましょう。
キャベツ用として、梅ドレッシングもあるので少量かけてと。
よし、それでは頂きます。
それにしても、とんかつはかなりのデカさだよな。
子ども用草鞋サイズってところでしょうか。
まずはキャベツを一口、当然の美味しさ。
味噌汁も豆腐とワカメというオーソドックスな構成ながらも、味はごく普通に美味。
さてと、本命のとんかつはと。
一つ摘んで、辛子をちょいとつけて食べてみると、うん、美味い。
ありきたりの表現ですけど、衣はサクサク、肉は柔らかい。
とんかつはプロが揚げれば大抵美味いものですけど、肉の柔らかさのレベル一段上。
肉に含まれる脂の量が多いから? いや、絶妙な脂加減だからか。
揚げる前に叩いているとか? いや、厨房でそんな動作や音はなく。
何故だかわかりませんけど、とにかく柔らかいことが印象的な肉なんですよ。
食べ続けるうちに感じたのは、ヒレ肉っぽい味。
ロースとヒレは隣接しているので、たまたま私が食べたとんかつはヒレに近かったのかもしれずです。
どの部位かは別として、これだけの柔らかく美味なとんかつが950円はお得。
ご飯もちょっと多いかなという心配は吹き飛ばし、短時間で美味しく完食、ご馳走さまでした。
今回、食事と並んで印象に残ったのはお店のスタッフの対応の素晴らしさだったんです。
入り口に陣取り、テイクアウトと入店の対応をこなすお姉さん、最初は「声が大きい人だな」ぐらいの印象だったんですけど、彼女がこのお店の看板でもあるんです。
テイクアウトだけでなく、電話を受け、店内飲食のレジもこなし。
ただ黙々と対応するのではなく、テイクアウトのお客さんとも笑いを交えながらの会話、レジの応対もできるだけ笑いや会話をお客さんにという応対。
そして一番感動したのは、電話でテイクアウトのオーダーが入った時だったんです。
「渡辺さん、カキフライ定食4名分ですね。20分後なら大丈夫です。ありがとうございます!」と勢いのいい受付。
電話を切った後、店内に「このお客さん、いつもお待たせしてしまうので、今日は絶対にすぐにお持ち帰り頂きたいんです!」と力説。
このオーダーの結果がどうだったのかを見届ける前に店を出てしまいましたけど、あのチャキチャキのお姉さんがこのお店の印象を作っているんだなと。
安くて美味しいだけではなく、江戸っ子の雰囲気もあるというのがこのお店の素晴らしいところですよ。
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