・赤羽近くの岩淵にある『荒川知水資料館』、荒川の治水を無料で知ることができるためになる施設
とある休日、普段と違うところでウォーキングをしようかなとGoogleマップを眺めて。
えぇと、「信長の野望 出陣」でまだ攻略していない拠点があるところで、博物館か何かがあるといいんだけど...
あ、『荒川知水資料館』、これ面白そうだな。
場所は赤羽の北、荒川の岩淵水門近く。
荒川と隅田川がここで分かれており、東京の治水に大きく貢献しているんでしょうね。
よし、ここを観てから荒川の土手を歩くことにしよう。
JR赤羽駅から歩き始めて、赤羽スズラン通り商店街を抜けていきます。
昔から変わらないであろうレコード屋さん(?)には演歌歌手のポスターが貼ってあったり、飲食店が立ち並んでいたり。
この商店街を巡るだけでも面白そうだなと思いつつ、今日の目的地までは徒歩20分弱かかるので先を急がないと。
新河岸川を渡ったところにあるのが『荒川知水資料館』。
通称はamoa(アモア)というそうで、これはArakawa Museum Of Aquaからつけたんだそう。
治水を「知水」と表記しているのも捻りを入れたつもりなんでしょうけど、いずれもちょっとなぁ、という感じですね。
屋外に展示されているのは、船堀閘門頭頂部。
荒川ロックゲート近くにも似たようなものがありますけど、閘門というのは水位が異なる川を行き来するための施設、2つの水門を交互に開いて水位調整するというものです。
荒川放水路と中川の間にあった閘門、現在は撤去されているそうで、小名木川・新川の水運がかつてほど使われなくなったことによるんじゃないかと思います。
荒川知水資料館に入ると施設の方が丁寧に迎えてくれ、館内の概要と見どころを紹介して頂きました。
「ありがとうございます。ところで、入館料はどこでお支払いするんでしょうか。」
「当館は無料ですので、そのままどうぞ。」
へぇ、綺麗な設備なのに無料とは、太っ腹ですね。
まずはざっくりと荒川の治水についてすることができる地図がこれ。
現在の荒川が青い二本の選で描かれており、整備される前は茶色の線の堤に囲まれて隅田川に繋がる流れでした。
荒川は元々もっと東を流れており、越谷近辺で利根川と合流していたんだそう。
洪水対策のために利根川を東に、荒川を西に流すようにしたのが江戸時代で、おかげで埼玉東部を洪水から守って水田を開発、舟運の発展にも寄与していました。
ところが1910年(明治43年)8月に死者369人・浸水家屋27万戸という大水害が発生。
再発防止のために計画されたのが荒川放水路で、岩淵水門で隅田川に流れ込む水量をコントロールできるようにした、という訳です。
荒川の源流は山梨・長野・埼玉の3軒にまたがる甲武信ヶ岳。
途中で数多くの支流からの合流がある、というのを示した地図がこれ。
奥秩父方面で大雨が降ると、積もり積もって隅田川の水量が増えていたと聞くと、かなり無理があったことがわかりますね。
荒川の特徴は、水源から河口までの勾配が大きいこと。
世界の川とは比べ物にもならず、日本の川のなかでも急勾配であることを示した図がこれ。
こうやって見ると、洪水が起きやすい川というのに納得。
2018年の台風19号、福島県で死者30人を出した激甚災害。
この時には荒川もかなりヤバいことになっていたという写真がこれで、荒川と隅田川の水位差が実に5.74m。
堤防が決壊したら荒川周辺の埼玉・東京の街は大変な災害になるところだったというのは全く知らずでした。
仮に災害が発生したら、という映像をシミュレートした映像も。
これは新小岩駅近辺ですけど、3.7mの水位で駅前はこんなおゆすになってしまうんだとか。
こうならないように我々を守ってくれている施設、そして働く方々には心から感謝ですね。
最後に、荒川知水資料館の展示物はVR空間で全て観ることができるんです。
URLは以下、興味のある方は是非どうぞ。
https://my.matterport.com/show/?m=S4WsYURnKys
荒川知水資料館
東京都北区志茂5-41-1
03-3902-2271
営業時間 9:30(土日祝は10:00)〜17:00(11〜2月は16:30)
休館日 月
0 件のコメント:
コメントを投稿