最近はオンラインセミナーが増え、気軽にセミナー参加できるようになって便利に。
会場開催が復活しても、オンラインもぜひ続けていってほしいものです。
とある日、とあるセミナーにて、渋滞学で著名な西成活裕教授(東京大学先端科学技術研究センター)の講演を聴講。
西成教授は具体例を挙げながら話をされ、わかりやすかったので幾つかご紹介しておきます。
「蟻は渋滞しない」
西成教授を始めて知ったのは渋滞学。「車間を空けた方が渋滞しない」なんてことを言っていて、本当か? 面白い研究をしている先生なんだな、と思ったのは10年以上前のことでした。
これは世の中にも浸透してきたのか、最近は渋滞も減ってきたような。
いや、道路が整備され車も増えていないからというのが主因なんでしょうけど、少なくとも私は車間をとるようにしています。
今回、改めて聞いたのは「蟻は渋滞しない」というフレーズ。
確かに、蟻は隊列を組んで餌を運ぶ訳で、高速道路の車列に似たもの。
これが渋滞しないのは、一定以上の密度にならない、つまり車間ならぬ蟻間距離をとるからだそうです。
なるほど、これには自然淘汰もあるのかな。
蟻間距離をとらなかった蟻は滅び、結果今日いるのは距離をとる蟻。
人間にも、同じような運命が待っているのかも。
「電車は1本待てば、空いている確率が高い」
混んでいる電車、駅での乗り降りが多いので遅れがち、というのは想像できますね。なので前の電車との間隔は空き、後ろが詰まる訳です。
そんな運行状況で、自分が駅に行くとどうなるか。
次に来る電車は、前の電車との間隔が空いている電車、つまり混んでいる電車である可能性が高い。
なので1本待てば、空いている確率が高いというえことなんですよね。
もう少し厳密に言うと、「駅で長く待って混んでいる電車が来たら、1本待てば空いている確率が高い」かな。
生活の知恵として覚えておこう。
「利他行動が世に最大幸福をもたらす」
このお話に最も感銘を受けたんですけど、利他行動、つまり人に譲るという行動が、結果的には自分にも世の中にも幸せをもたらすという話。バーに飲みに行こうという話になって、自分も行きたい。
「行きます」と自己主張するか(=利己行動)、「自分が行くと混んでしまうかもしれないので、皆さんでどうぞ」と譲るか(=利他行動)、という状況で、以下の表。
バーは空いている | バーは混雑している | |
バーに行く | ◯ | × |
家にいる | × | ◯ |
◯がついているところが「ハッピー」、×は「アンハッピー」な心理状態を示します。
つまり、
・バーに行った時、バーが空いていたらハッピー、混雑していたらアンハッピー。
・人に譲って家に帰ることにして、バーが空いていたら「行っても問題なかったんだ」と後悔(アンハッピー)、混んでいたら「行かなくて正解だった」とハッピー。
もうおわかりだと思いますけど、皆が常に自己主張、つまりバーに毎回行くと、ハッピーとアンハッピー両者に遭遇する可能性が高い。
バーが空いていてハッピーだったら、次は人に譲る、そして家にいてバーが混雑していたと聞いたら、次はバーに行く。
こんな行動をとってれば自分はハッピー、そして集団全員が繰り返し同じ行動をとることで、ハッピーの総和が大きくなるんだそうです。
実際には、お金がないからバーには行けない、あの娘が行くんなら是非行きたいなどなど。
そうそう単純なものじゃないんでしょうけどね。
でも、人のための行動が結果的には皆にハッピーをもたらすって、美しいと思いません?
自分はこう生きたいものだなと。
【今日のまとめ】
・車間距離は空けよう。
・長く待って混んでいる電車が来たら、1本待待ってみよう。
・利己行動を繰り返さず、利他行動と織り交ぜよう。
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