【この記事のポイント】
・下総中山『BAKERIES LAB.』、LAB.という名に相応しいスチームと加水を計算し尽くしたパン。
・無意識にチーズを求めたのは、「チロシン」分泌のためだったのか。
とある休日、この日は妻と下総中山駅の医院へ。
帰りにランチを買っていこうということで、駅から徒歩3分弱で寄ったお店が『BAKERIES LAB.』でした。
このお店がオープンしたのは、昨年秋口だったか。
黒のサッシと整然と並ぶ外観は、まさに「パンの最適解」を追求する研究所(ラボ)としての清潔感と機能美を体現しています。
最初は大行列ができていたので近寄らなかったんですけど、落ち着いたのは年末前だったような。
かつて娘がカレーパンを買ってきてくれたことがあり、そのクオリティには納得していたはずなんですけどね。
その後、なぜか私の中では意識の辺境(フロンティア)」に追いやられたままに。
毎日通る場所なのに、風景に溶け込みすぎていて、まさに『灯台下暗し』。認識の網膜から零れ落ちていたんです。
まさに日常のエアポケットのような存在だったんですよね。
家に帰ってと。
よし、それでは頂きましょう。
私のチョイス1つ目は、かぼちゃクリームチーズフォカッチャ(430円)。
かぼちゃの鮮やかな黄色が目に飛び込んできます。
早速一口… うん、これはいい。
かぼちゃの澱粉由来の穏やかな甘みと、クリームチーズの乳脂肪分がもたらすコクが、口内で見事な調和(ハーモニー)。
かぼちゃのβ-カロテンとチーズのタンパク質という組み合わせ、栄養学的にも理に適っているんだそうです。
そして何より、フォカッチャのしっとりとした多加水生地がすべてを優しく包み込んでいる。
クルミの硬質な香ばしいアクセントが加わることで、このパンの完成度を一段上に引き上げています。
2つ目はチーズフランス(430円)。
どちらもチーズ、この日はどうやら深層心理が「チーズ」を熱烈に求めていたようです。
心理学的に分析すれば、これはストレス耐性を高めるための無意識の「自己防衛」。
チーズに含まれるアミノ酸「チロシン」は、ドーパミンやノルアドレナリンの前駆体であり、脳を覚醒させ、集中力を高める働きがあるんだそうです。
裂け目から溢れ出す黄金色のチーズをバリッとしたハードな外皮とともに噛み締める。
その力強い風味、そして顎に伝わる確かな抵抗感、脳が求めていたのはこれだったんだなと。
このパンはかなりのボリューム感で、一つ食べ終えるだけで相当な満足感。
それでも手が止まることがないのは、脳の欲求と胃袋の許容量が絶妙な均衡を保っていたからでしょう。
ベーコンフランスは妻のでしたけど、かぼちゃクリームチーズフォカッチャと半分交換したものです。
麦の穂を模した端のエッジがパリッと心地よく、内側からはベーコンの力強い塩気が溢れ出す。
胡椒のピリッとした刺激が全体の輪郭を引き締め、硬い生地の旨味を最大限に引き出す大人の味わいでした。
表面にうっすらと残る白い粉を指で払いながら、「これは打ち粉の強力粉ね」と妻の鋭い観察眼。
なるほど、さすがかつてパン作りに没頭していただけあるなと。
プロの仕事に、家庭の記憶が重なり合った瞬間… なんて書くとちょっと格好いい表現ですかねw
決して安くはないけれど、この満足度があればまぁ許容範囲かなと。
再び心のエアポケットを埋めたくなった時に、『LAB.』の扉を叩くことにしましょう。
美味しいパンに感謝、ご馳走さまでした。
【おまけのワンポイント】
『BAKERIES LAB.』のパンの最大の特徴は、その高い「加水率」にあるんだそう。
自宅で食べる際、トースターに霧吹きで一吹きする、小さな器に水を入れて一緒に加熱するといった「スチーム・リベイク」を施すと、お店が研究し尽くした「外パリ・中ふわ」の最適解をより鮮明に再現できるとのことです。




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