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2025年12月26日金曜日

【イベント】「破壊機」とは?百里基地で見た「パンサー」の巨体と、「ロボドッグ」の静かなる警備

【この記事のポイント】
・百里基地航空祭で、オーストリア製「パンサー」破壊機救難消防車と、米国製「Vision 60」ロボドッグという二つの最先端技術を体験。国家防衛における並外れた消火性能と、ITとロボティクスの進化を実感。



今回の百里基地航空祭で出会った、航空機以外の興味深いものを2つご紹介しておきます。
一つは消防車の持つアナログなパワー、もう一つはロボティクスの最先端です。

破壊機救難消防車「パンサー」の驚異的な性能



まずは百里基地に配備されている消防車。



オーストリアのローゼンバウアー車製「パンサー」という、流線形が美しい車体。
説明板には「破壊機救難消防車」と書いてあります。

Uさんが「破壊機ってなんでしょうね」と尋ねてきて、あぁなるほど。
彼女は「破壊する機械」と読み取ったのかもしれないなと。

「多分ですけど、「壊れちゃった飛行機」って意味じゃないですかね」と私。
ここですかさず、Kが傍らにいた隊員さんに質問です。

「破壊機ってなんですか?」
「さっきこちらの方(私)が仰っていた通り、破壊された機体のことです」(隊員さん)

私の推測が正しかったことに、ちょっとした優越感w。
以降、隊員さんに対して、KとUさんと私から質問攻めです。

「これ、一般道は走れるんでしょうか。」
「大型トラックと同じ車幅なので大丈夫なんですけど、水を積むと重量があるので通行許可が必要です。」

「水はどれぐらい積めるんですか?」
「8,000リットルです。」

重量にして8トン。
一人1日3リットルとすると、なんと2,666人分ものすごい量なんですね。

「8,000リットルもあって、何分くらい放水できるんですか?」
「それがですね。1分あたり4,000リットル放水できるので、フルに稼働させると2分なんですよ。」

え〜、そりゃ凄い。
航空機火災であっという間に燃え広がる光景は、テレビで観たことがあります。

あんな火災を一気に消し止めるには、それだけの水を短時間に、しかも高圧で放水することが必要なのか。
火災の脅威と消火技術の極限を理解。

「水がなくなったらどうするんですか。」
「出動時には、給水車がつくんです。」

「実際の航空機火災で出動したことってあります?」
「私はまだないんですけど、平成29年にはこの基地でも火災があったんですよ。」

「おぉ、そういえばありましたね。F-4が燃えたんじゃなかったでしたっけ?」
「そうです。それです。」

隊員さんからこんなに話を聞いたのは初めて、若くてキビキビとした好青年の爽やかな笑顔の裏にある、「もしも」の瞬間に備える覚悟。
道具のスペック以上に、それを操る彼らの存在が頼もしく感じられました。

国家防衛の最前線に立つロボドッグ


お次はロボット犬、ロボドッグというそうです。
こちらは米国製、ゴースト・ロボティクス社が開発した「Vision 60」と呼ばれる四足歩行ロボットなんだとか。



技術的な特徴を見ると、機体は約45~51kg。
カメラやセンサー、通信機器を搭載し、一部物資の運搬(約10kg程度の積載能力)も可能です。

ビデオカメラや暗視センサーを装備しており、遠隔操作またはプログラミングされたルートでミッションを遂行。
自立行動も可能で、四足歩行のため、階段の上り下りや不整地での踏破能力に優れているんだそうです。



実際に動いている様子を動画にしましたけど、動きはスムーズそのもの。
ここ百里基地などの基地警備教導隊で、活用方法の研究が進められているようです。

広大な基地内の巡回監視や警備を自動化・省人化するのが主な目的。
隊員さんの負担も減るでしょうし、不審者もこれを見たらビビって逃げること間違いない。

我々の日常生活にはAIが進出していますけど、国家防衛の現場ではこんなロボットも活躍しているんだと感心。
SF映画の光景は、すでに日本の国防の最前線へと実装されていました。

終わりに


航空機だけでなく、様々な新しいもの、そしてそれらを運用する人々の物語を見ることができる自衛隊イベント。
消防車の驚異的な性能と、ロボドッグという未来の技術のコントラストが際立っていたなと。

いや〜、なかなかの見ものでした。




【おまけのワンポイント】
・「破壊機救難消防車」の「救難」は、国際民間航空機関(ICAO)が定める空港の消防能力基準に則ったもので、航空機事故対応という国際的な安全保障のロジックが背景にあるんだとか。

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